流転の地球-太陽系脱出計画- | を観た。~3行映画評~

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流転の地球-太陽系脱出計画-を観た。三体の原作者という事で期待したが、何たる非科学的なストーリーか。"宇宙船地球号"は比喩だろ、本当にそうしてどうする。しかも観客は驚愕のCG特撮で実現した姿を見せつけられる。太陽から離れ、自転も公転も変えてしまったら、人類に生きるすべは無い。素人でも分かる。また『亡くした家族のデジタルデータをコンピュータに取り込むマッドサイエンティスト』は使い古されたテーマだし、ジェット噴射で地球を動かすアイデアは『妖星ゴラス』で、東宝がとっくに映像化している。さらにSFファンにすこぶる評判の悪いゲイリーアンダーソンの"スペース1999"と同じ結末に唖然とする。また、登場する欧米人がステレオタイプ過ぎてさよならジュピターを見ているようで気恥ずかしい。最悪なのはクライマックスの大アルマゲドン大会。何百人もの技術者や科学者が特攻で(!)地球を救うのだ。唯一AIがシンギュラリティの境界を超える瞬間の描写はゾクッとしたし、量子コンピュータのバージョンが上がり計算速度がはね上がるのはリアル。とにかくそれらの不満を全て吹き飛ばすほど圧倒的なCG力と音響効果で2時間53分観客をねじ伏せる、中国らしい一本は逆に一見の価値あり。流転のもう一本も、ぜひ見てみたい