今朝の秋(NHKテレビドラマ) | を観た。~3行映画評~

を観た。~3行映画評~

日本映画を中心に。たまに見る劇場新作も。タイトル前の◎はオススメ○は見て損ナシ△は気をつけて⭐️はその年のベスト



今朝の秋を観た。37年前の山田太一ドラマはやはり見事だった。『ながらえば』『冬構え』とは全く違うアプローチで、山田の引き出しの多さが分かる。平均寿命が今とは比較にならないくらい短かった昭和時代に、今日本で起きている"長寿によって子供が親より先に亡くなる"問題を早くも提議している。また、離婚・再婚・不倫(当時は浮気と言った)もスルスルと描いてみせる。ベテラン役者達の共演も見もの。中でも人生の悲運を恨みながら死んでいく杉浦直樹の演技は見事。その昔、テレビドラマは、大人の娯楽だったんだと思い出させる。笠智衆と杉村春子は『秋刀魚の味』以来何と25年ぶりの共演。演出の深町は同年9月にNHKを定年退職しているため局最後の演出となった。テレビドラマというジャンルが完全に独立・確立していた頃の一本