◯ 生きる 大川小学校津波裁判を闘った人たち | を観た。~3行映画評~

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生きる 大川小学校津波裁判を闘った人たちを観た。震災から12年、さすがにどの監督もフィクションとしての映画化をためらった大川小学校の悲劇が、ドキュメンタリー映画として公開された。本作の根幹を成す学校側の説明/教育委員会の説明/第三者調査委員会の説明の映像には、本物だけが持つ説得力がある。震災直後、生き残った唯一の大人遠藤教諭が出席した第1回遺族説明会の映像がなければ、映画の出来は全く違っただろう。この素材は"奇跡の生存者"と騒がれ、何度もマスコミに引っ張り出された哲也くんの父、只野さんが撮ったモノだ。豊田商事詐欺事件を解決に導いた敏腕弁護士を持ってしても"勝てない"と言わしめた、国を相手取った裁判はまさかの原告勝利となる。しかし結審してからも映画は続く...。語り部を拒む人、漁師になった人、飲めない酒を毎日あおる人、原告への脅迫事件、そして裁判の発起人は一人娘を亡くし後継者を失った神職夫婦であると映す。裁判提出用に、父兄が子供役となって裏山へ逃げる時間計測の場面は本作の山場。ただ、オーラス、セリ上がりが遅すぎるエンドクレジットと、歌手が誰だか分からないお涙頂戴の主題歌を聞くと、やはり"ドキュメンタリーはセンスが無い"と言われてしまうよなぁの一本