この本では、著者である

コピーライターのひすいこたろうさんが、

多くの偉人や賢人の言葉を

紹介しています。


私とこの本の出会いは、

たまたま買い物ついでに立ちよった

ある本屋さんでした。


本屋さんにふらっと入った私は、

並んでいる本を見ながら

店内をうろうろしていました。


当時は、長男がお空にいったあとの

ことです。少しずつ日常を取り戻し、

仕事をしたり、買い物に行ったりも

できていました。


本の題名が気になり、

たまたま手に取りました。


パラパラとページをめくっていた

私の目にとまった言葉。


「神は記憶を与えてくれた。

 人生の冬の時期に、6月のバラを

 思い描けるように。」


この言葉は、イギリスの作家で

『ピーター・パン』の作者でもある

ジェームズ・マシュー・バリー

の言葉です。


大切なあの人がいなくなったとしても、

思い出はいつまでもずっと

私たち遺されたものの中に

残り続けます。





これを読んだ私には、

立ち読みしていたことも忘れて、

大粒の涙があふれていました。


長男は私にとってはじめての

子どもでした。

不安と喜びにあふれた妊娠や出産、

何もかもがはじめてで

手探りの中はじまった子育て。


思うようにいかず、

悩んだり困ったり、ときには泣いたり。

そんなときでも、長男は私に

いつも笑ってくれました。

長男の笑顔。大好きです。


はじめてお話した、

はじめてごはんを食べた、

はじめて歩いた。

はじめての旅行では、

はじめての海を体験しました。


いろんなはじめてを積み重ねて

成長していきました。


保育園に入園。

お友達もでき、一気に長男の世界が

広がっていきました。


妹や弟も生まれ、心優しいお兄ちゃんに

なりました。

5人家族で過ごしたたくさんの思い出たち。

いろんな思い出が、走馬灯のように

浮かんできました。


そんな思い出たちは、

私の心の中に、今も、そしてこれからも

ずっとずっと消えることなく残り続け、

私の心を温かくしてくれています。



そして、本にはこうも書かれています。


あの世にもっていけるのも思い出だけ。


この言葉を目にして、再び大粒の涙が。

私だけではなく、お空にいった長男も、

思い出だけは一緒に持っていったのです。


私と長男は、

確かにこの世界でともに生きて、

同じときを過ごし、その中で

数えきれない思い出を共有したのです。


長男も、私たちとの思い出を胸に、

今は過ごす場所は違ってしまったけれど

お互いを想い合っている。

そんなふうに感じました。


そう、長男は私の心の中で

ずっと、生きているのです。


あなたと大切なあの人の中には、

どんな思い出がありますか?