長男がお空にいってから、

最初の親としての大仕事。

それが葬儀だったように思います。


お空にいってしまったことも

夢であると思っているような状態で、

葬儀をしなければいけない。

本当に本当に辛かったです。


なぜ、我が子の葬儀を自分は

しないといけないのか?

しようとしているのか?

やらなければいけない、

決めなければいけない。

でも、全然気力はわきませんでした。


そんなとき。

私の弟が教えてくれたことがあります。

「葬儀は最後の晴れ舞台」

ということ。

そうか、晴れ舞台なんだな。


それを聞いてからは、あれだけ気力が

わかなかった気持ちが一転、

長男の最後の晴れ舞台、

ちゃんと気持ちをこめて、悔いなく

送ってあげないと!と思ったのです。

今私たちが長男にできることはこれだ!

その思いは夫も同じでした。





たぶん、この一言がなければ、

あの辛い精神状態の中で、

まともに我が子の葬儀をする

なんてこと、できなかったと思います。


そして、

時間がたって振り返った時に、

精一杯送ってあげられなかったと

悔いが残っていたんじゃないかと

思います。


葬儀に対して、

気持ちを新たにしてからは

時間との戦いでした。

形にしたいことはあふれてきますが、

時間がありません。

なんとか無事に最後の晴れ舞台を

と、その想いだけで突っ走りました。



長男がお空にいってからも

なるべく寂しくないように、

そして、

好きだったもので遊べるように

との願いを込めて。


誕生日プレゼントでもあった

マリオのレゴブロック、

長男と夫が共同でつくった

カブトムシのレゴブロック、

虫が大好きだったので、

虫とり網と虫かご。


製作が好きだったので、

それに使う紙類やセロテープ、

はさみや折り紙。

好きだった図鑑。

ちょうどひらがなを練習し始めていた

頃だったので、ひらがな練習ノート。

大好きなじいちゃんやばあちゃんと

一緒にしたカードゲームやパズルゲーム。


お空に行くまでの道中で

お腹がすいたら食べられるように、

長男が好きだったものをいれて

心をこめてつくった、

最後のお弁当を一緒に。


お空にいってからも寂しくないように、

家族やお友達と一緒に撮った写真を

フォトブックにしました。

これは、我が家と私の両親の家にも

同じものをつくって置いています。

長男といつでも同じ思い出を

共有できるように。


あとは、

長男へ感謝の気持ちをお手紙に。

私の母と弟も、書いてくれました。

長男の保育園の先生方からは、

大好きだった虫を

たくさんの折り紙でつくっていただき、

その虫の折り紙とお花に囲まれて、

棺はいっぱいになりました。

大好きなじぃちゃんとばぁちゃんに

買ってもらった服と靴を身につけて。


葬儀の打ち合わせのときには、

右も左もわからない私たちに、

葬儀担当の方が

「たくさん入れてあげたいものが

 おありでしたら、大きめの棺が

 いいですよ。」

と教えていただきました。

本当は、プラスチック類は

火葬後も残ってしまうので

入れられないことも多いそうですが、

私たちの気持ちを汲んでくださり、

なるべく棺の端のほうにでしたら

と、プラスチック類も入れるのを

許可してくださいました。


おかげで、たくさんのものを棺に

入れることができました。

ネットで調べてお願いした

葬儀会社でしたが、

親身になってくださり、

今でも本当に感謝しています。


準備はあわただしかったですが、

その間はあまりにも辛く苦しい現実を

まぎらわすにはちょうどいい時間

だったのかもしれません。


もともと家族葬の予定でしたが、

保育園の先生方や

仲良くしていただいていたお友達家族、

私や夫を心配してくださった

職場の上司や同僚、友人、

たくさんの方に来ていただきました。


私たちの精一杯の気持ちと

長男への感謝を込めて、

長男の最後の晴れ舞台ができました。

この思いは、

もうお空にいってしまった長男に

してあげられることがないという

苦しい気持ちを、

少し和らげてくれています。





少しでも悔いがなく、

大切なあの人に私たちができたことって、

残された私たちの救いになる

と思います。


お空に持っていったもので

いっぱい遊んでるかな?

写真を見て思い出してくれてるかな?

笑って楽しむ長男の姿を、

お空を見ながら、時々想像しています。