死別などの喪失を経験すると、

様々な反応が起こります。



食欲への影響や睡眠障害などの身体的反応、

深い悲しみや後悔、絶望、抑うつ、

罪悪感や自責感、

またこれらとは一見対極にありそうな

安堵などの心理的反応があります。


安堵は、長期間の介護などの後での死別で

みられることがあり、ほっとしたり

楽になったと感じたりすることです。


何もする気力が起きずに、今までは

普通にできていたこともできなくなり、

日常生活を送ること自体が

困難になることも珍しくありません。


その反対に、何かをやりすぎてしまう

過活動というものもあり、

これもグリーフによる影響のひとつです。



また、人間関係に変化が起きたり、

自分だけが取り残された、あるいは

違う世界に来てしまったような孤独感を

感じることもあり、

これらは社会的反応です。


ここにあげたものは、

ほんの一例ではありますが、

このようにグリーフによる

反応は様々であり、

その表れ方、それが続く期間や

落ち着くまでの期間も人それぞれです。


これが、誰もが、

死別などのグリーフによって体験する、

ごくごく正常で、自然な反応なのです。





それを知っておくだけでも、

喪失における苦しみの

助けになるのです。



毎日のようにいろいろな気持ちが

次々に沸き上がり、それに揺さぶられ、

自分が自分ではなくなったような

感覚になり、私はおかしくなって

しまったのではないか?

と感じることもあるかもしれません。


しかしそんなことは決してなく、

それはグリーフによる反応であり、

自然なことなのです。



どんな感情が沸き上がったとしても、

その感情が、今まで自分が感じたことも

ないようなものだったとしても。


今までの日常が、がらりと変わってしまい、

それに戸惑うことがあったとしても。


絶望感にうちひしがれ、

未来が見えなくなってしまったとしても。


一日中あの人のことを想い、

涙がとまらない日が続いたとしても。



どんな感情も、自分自身の気持ちです。

大切なあの人を想っているからこその

気持ちなのです。

どんな感情も、否定せず、

受けとめて大切にしてくださいね。


何を感じたとしても、いいんです。

大丈夫です。