ちあきなおみ『かげろふ~色は匂へど~』
1. 色は匂へど
(作詞:伊集院静 作曲:筒美京平 編曲:新川博)
2. 砂塵の町へ
(作詞:森浩美 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎)
3. 十六酔いフラッパー
(作詞:ちあき哲也 作曲:柿沼清史 編曲:鷺巣詩郎)
4. 合鍵
(作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:志熊研三)
5. WOMAN IN TOWN
(作詞:森浩美 作曲:根本要 編曲:鷺巣詩郎)
6. キリがないね
(作詞:森浩美 作曲:中崎英也 編曲:志熊研三)
7. 猫
(作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎)
8. 曖昧2
(作詞:関口誠人 作曲:関口誠人 編曲:志熊研三)
9. 五分前
(作詞:伊集院静 作曲:筒美京平 編曲:志熊研三)
10. いかないで
(作詞:森浩美 作曲:筒美京平 編曲:新川博)
●1990年リリース、ちあきなおみのオリジナル作品『かげろふ~色は匂へど~』。
筒美京平作品であるシングル「色は匂へど」、そして絶世のバラード「合鍵」を収録。
さらにアルバム楽曲も数曲提供し、その他、根本要氏や関口誠人氏なども提供。
昭和時代より歌謡界、いや日本歌唱界を支えた神声のポップス作品。
昭和歌謡歌手と括られておりつつも、
その歌唱は本物のソウルでもあり、本物のブルースでもあり、むしろそれらを超越してる気もしています。
その歌声を、鷺巣詩郎の硬質でテクニカルなアレンジや新川博のアーバンなアレンジでカスタマイズしていくという、
最後期であるにも関わらずとてもチャレンジングなアルバムです。
そんな楽曲群の中だからこそ、普遍的なスタンダードソングとも成り得る「合鍵」がとてもアンセム的に響いてきます。
制作側は、日本版のダイアナ・ロス「if we hold on together」を目指して京平先生に制作を依頼をしたらしいです。
どおりで。
その他、もひとつグッときた曲が「いかないで」です。
歌手ごとの特性や魅力を活かした作曲をすることで知られている京平先生、ちあきなおみ氏の歌を考察した上での楽曲であると感じます。
個人的にですが、そう、個人的にですが、
半音ずつスライドしていくようなメロディー展開の部分にちあきなおみらしさ、加えてちあきなおみの最大の魅力を見出しています。そんな部分に脳がふわっとなります。腸周りがキュッとなります。
個人的に。
そんな箇所がふんだんに散りばめられたメロディー展開になっています。
なので、あながち京平先生も共通認識を持ってくれていたんじゃないかと私は考えています。
とてもちあきなおみ氏らしいと個人的に思う楽曲。
この曲でアルバムの最後を飾るあたりがたまらないのです。
この二人に臓器を潰されるなら、全然かまいません。
そしてこのアルバムを経て、
その一年後に最後のアルバム『百花繚乱』がリリースされるわけです。
▼もはやR&B 根本要作「WOMAN IN TOWN」