マイナンバーが記載された「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)」

 

 次の記事を読みました。

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マイナビニュース
連載 中小企業にとってのマイナンバー制度とは?
 第77回 2017年度上半期 マイナンバー漏洩事案の大半は特別徴収税額決定通知書
https://news.mynavi.jp/article/mynumber-77/
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 私は一企業のマイナンバー担当者の一人として、この記事の「特別徴収税額決定通知書へのマイナンバー記載をしないこととすべき」という主張に、まったくもって異論ありません。
 そうすべきです。

 

 

 

 この通知書へのマイナンバー記載は本当に無意味だと思います。

 

 どの社員から毎月いくらの税額を控除すればいいのかを確認し、そのとおりに給与で控除して、市区町村毎にまとめて納付する。

 

 この作業にマイナンバーが無くても全く困らない。
今までもそうやってきたのだから。

 

 そこにマイナンバーの記載欄ができて、そこに役所が勝手に社員のマイナンバーを印字してくる。
 手続きには全く関係ないが、「厳重に管理せよ」という情報を載せてくる。

 

 通知書の管理コストを上げるとともに、マイナンバーの漏洩リスクを上げるだけです。

 

 私は切実に、この通知書へのマイナンバーの記載をやめてほしいと願っています。

 

マイナンバーを印字してこない市区町村もある

 

 

 記事でも触れられていますが、実は市区町村によっては、マイナンバーを印字してこない役所もあります。
(私は心のなかで拍手を送ります!!)

 

 

 私の勤務先は小さくもない規模なので、毎年なかなかの数の市区町村から通知書が届きますが、記載方法はおおよそ次の通り分類できます。

  1. マイナンバーを(全桁)記載
  2. マイナンバーを一部記載(12桁のうち上4桁だけ印字、下5桁だけ印字, etc.)
  3. マイナンバーの記載なし(すべて「*」印で埋められている、または空欄にしてある)

※年度初めの最初の通知は「1」で、その後の変更通知や退職による普通徴収への切替通知は「2」「3」というパターンもあります。

 

 意外にも東京周辺の市区町村に「2」「3」のパターンが多いですね。
東京から離れるにしたがって、総務省の言うとおり「1」にしている印象があります。

 

 ちなみに、今年から、毎年1月末を期限として職場から各市区町村へ提出する「給与支払報告書」にもマイナンバーを記載するようになりましたが、社員が提出を拒否している場合等やむを得ず空欄のまま提出した場合、律儀に照会文書を送ってくるのも都心から離れた地方の自治体がほとんどですね。

 

誤送付の件数が増えているのか?

 

 

 冒頭紹介した記事のタイトルにもなっていますが、通知書の誤送付によるマイナンバー漏洩が多く発生しています。

 

 

 推測ですが、誤送付の件数自体は、例年と変わっていないのではないかと思います。


 私自身は経験していませんが、前任者に「他社の人が記載されていたことがあった」ときいたことがあります。マイナンバー制度がはじまる前の話です。
 誤送付自体はこれまでもあったのです。

 

 そこにマイナンバーが印字されるようになったから、これまで以上に大きく取り上げられているのではないか。

 

 あくまで推測ですが、自分たちで漏洩リスクを高めているだけのような気がしてなりません。

記事の見出しで「~にマイナンバーを活用」という文字を目にすることが増えてきました。

 

でも、その見出しが不適切ではないかと思う記事も少なからず見受けられます。

見出しでは「マイナンバーを活用」となっているが、中身は「マイナンバーカードを活用」となっている記事があるからです。

 


例えば、Googleのニュース検索で「マイナンバー 活用」と調べてみると、

 

ここ数ヶ月の記事で、

 

 ・マイナンバー、観光に活用(11/23、静岡新聞)

 ・マイナンバーをポイントカードに 豊島区が都内初の実証実験(11/10、産経ニュース)

 ・マイナンバーでポイント活用、228自治体が参加(9/21、日本経済新聞)

 ・図書館、マイナンバー活用 200自治体で順次(9/11、日本経済新聞)

 ・チケット転売防止に「マイナンバー」活用へ!セキュリテイ対策は?(7/12、IRORIO)

 

などが出てきます。

 

 

いずれも、本文を読んでみると、中身は「マイナンバー"カード"を活用する」という内容。

これは、マイナンバーカードに搭載されているICチップ・電子証明書の機能を活用する、というもので、実際にカードに印字されている12桁の個人番号(マイナンバー)を使うという意味ではまったくありません

 

紙面上の制約で文字数に制限があるのはわかりますが、

「マイナンバーカードを活用」を「マイナンバーを活用」と書いてしまっては、まったく意味が異なります。

 

各種メディアの方には、誤解を生む可能性がないか、よく考えていただきたいものです。

最近、極力紙の資料をPDFにするなどして、ペーパーレス化を進めています。

出来る限り、モニタの中で処理して、紙が溜まっていかないようにしたい。

 

しかし、職場自体は相変わらずの紙&印鑑の文化。

 

デスク上に書類を広げないよう心がけていると、

ただPCの画面を眺めているだけのように見られる。

 

「こいつは暇なんだな」と判断した上司は、新たな仕事をもってくる。

 

「紙資料」とともに。

 

・・・負けてられません。