昨日(2019.08.31)、阪神 vs 巨人をテレビで見ていました。
気になる点があったので、ちょっとご紹介。
8回裏、阪神は北條選手の打順で、代打・大山選手を送ります。
一球投じられた後、白井二塁塁審が眞鍋球審に何か合図をして、試合を止めて2人で話し合いをはじめました。
話し合いはすぐに終わり、眞鍋球審がアナウンス席へ向かい、声をかけました。
その後、「北條に代わり、大山」と場内アナウンスされ、スコアボードの表示もそこで初めて大山選手に代わりました。
実は、代打・大山選手が打席に入った時点で、場内に対して何のアナウンスもされていなかったのです。
そのことに、白井塁審が気づいて眞鍋球審に伝えたんですね。
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阪神・矢野監督が代打を告げているような場面はテレビに映っていましたが、選手交代の過程がどこか抜け落ちてしまったようです。
*2019年9月5日追記***
あらためて録画を見直したら、通常の「6番 サード 北條」というアナウンスもないし、登場曲も流れていませんでした。
場内放送係にはっきりと情報が伝わらず、どんなアナウンスをしたらいいのか分からない状態で、現場がそのまま試合を進めてしまったという感じなのかもしれません。
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気になるのは、記録上どうなるのかということ。
一球投じられた後で選手交代がアナウンスされているのです。
調べたところ、
公認野球規則
〈3.08〉交代発表のなかったプレーヤーの取り扱い
代わって出場したプレーヤーは、たとえその発表がなくても、次のときから、試合に出場したものとみなされる。
(1) 投手ならば、投手板上に位置したとき。
(2) 打者ならば、バッタースボックスに位置したとき。
(3) 野手ならば、退いた野手の普通の守備位置についてプレイが始まったとき。
(4) 走者ならば、退いた走者が占有していた塁に立ったとき。
本項で出場したものと認められたプレーヤーが行なったプレイ、およびそのプレーヤーに対して行なわれたプレイは、すべて正規のものとなる。
つまり、発表がなくても、打席に位置した時点で、大山選手が代打で出場したとみなされるのです。
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ちなみに、公認野球規則にはこのようにも書かれています。
〈3.07〉交代通告を受けた球審は、ただちにその旨を自ら発表するか、または発表させる義務がある。
この点、もしアナウンスの有無を確認していなかったのであれば、眞鍋球審に落ち度があったということになります。
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この条文を読んでいて思い出したのが、2015年7月25日、高校野球福岡大会の準々決勝、九州国際大付属高校vs朝倉高校の試合です。
守備側の九国大付がタイムをかけ、伝令(控え投手)がマウンドへ向かいました。
それを捕手が「ベンチから出てきた選手に投手交代」と勘違いし、審判に投手交代を告げてしまいます。
審判はそのとおりに場内アナウンスを指示、実際にアナウンスされました。
そのアナウンスを聞いた九国大付の選手たちは「違う違う」とアピールしましたが、審判は「キャッチャーから選手交代の通告があり、アナウンスされた。『間違いでした』とのことだが、それは認めない」と、交代の取消を認めませんでした。
さっきの文章を読んだ後だと、「伝令の選手が投手板に位置していなければ、交代しなくてよかったんじゃないか?」と思ったのですが、それは違う。
先ほどの文章はあくまで「交代発表のなかったときにどう扱うか」の問題です。
発表があれば、その時点で成立なのですね。
※公認野球規則は、次のサイトから引用させていただきました。
●Baseball Rules http://ru.ishibb.com/