見始めて、あれ?これいったいどこの映画だと思ったらブラジルサンパウロが舞台でした。

生まれつき目が見えない高校生レオは幼馴染の女の子ジョバンナにいろいろと世話を焼いてもらっていた。
ジョバンナは彼にまんざらではない好意を抱いているようだったが、ある日同じクラスに転校してきた男子生徒ガブリエルは盲目のレオに先入観なく接し、やがて、ジョバンナと彼ら3人の関係は微妙に変化していく……

えーとですね、痛い映画も苦手ですが、自分にとっては同じぐらい苦手なジャンルの映画。
見始めてこの映画の方向性がわかったときに、あー、見るんじゃなかったと(笑)
もう何を書いてもネタバレになってしまうので余計な事は書きませんが、強いて言えば「ムーンライト」と同系統の映画ですかね。

とはいえ、突拍子もない映画かといえばそうではなく、ものすごくわかりやすくて特にジョバンナの心の動きというか行動や発言がものすごく共感できる。
なんて言うのかな、1980年代の日本の安っぽい恋愛ドラマと言ってしまえばそれまでなんだけど、ここで描かれる恋愛模様はセンシティブで気遣いばかりしている日本人には理解しやすいんじゃないかと思う。

テーマも、いじめっ子の使い方がとても絶妙で、彼らの行動を純粋に悪にすることで、レオとガブリエルの心の変化や絆の深さを表現するというなかなかうまいやり方だ。
ただ、その絆のベクトルがねぇ〜(笑)
ためだー、偏見は持っていないつもりでも、やっぱり自分には違和感がある。
ガブリエルなんて要らんですよ、お前が要らないのなら俺にジョバンナをくれ、みたいな。
ジョバンナは私の母になってくれるかもしれない女性だったんだぞ!

そういえば、ブラジルと言って思い出すのはリオデジャネイロの「キリスト像~open arms~」。
ブラジルってキリスト教バリバリの国なんですよね。
そりゃ、南米はスペインの植民地だから……え?ブラジルってポルトガルの植民地?あらまぁ。
だからブラジルではスペイン語が通用しないらしい。
へぇ。
というのは置いといて、キリスト教だから天使。
天使といえばガブリエル。
ガブリエルと言えば思い出すのは「ミッドナイト・イン・パリ」に出てきた天使。
なるほど、どちらの映画も“天使は舞い降りた”なわけであるが、私個人としては天使は女性の方がいいなぁ。

自分が子供の時、道徳の授業で“部落”というものの勉強をさせられたのだが、もともと自分らの間では、部落という言葉も概念もなかったので、知らないものはないも同然でして、それをわざわざ教えてどうする、みたいな感じがあったんだけど、盲目の人間にとっては恋愛も見た目や外見は全く関係ないんじゃないか、みたいなテーマがあるのかどうかは分かりませんが、そういうテーマがあったとしても、自分には合わない映画だったなぁ、としか言いようがないですね。