指原はあれから、城を出て歩き回っていた。しかし、指原は歩き回りつつ不安になっていた。
ここはどこ?と
今まではだれかと一緒に行動していたため問題は無かったしかし、一人というのは指原にとって初めてであった。
あたりは日が沈み真っ暗な闇に染まっていた小さなランタンの灯りを頼りに指原は平野を歩き続ける。
目的地は決めていた。というよりかはそこしかなかった。
城から北西に進み馬の谷を目指していた。あそこには指原にとって頼れる存在の人物が領主として国を収めていた。
しかし、今は高橋たちとあまり中がよくないこないだの時は本人ではなかった。あのあと彼女の体は消えると人形がぽつんと残っていた。
そんな指原にも不安な事がもうひとつあった。それは小嶋のそんざいである。
あれ以来消息をくらませた小嶋は馬の谷にいるのかもしれない。
もしかしたら、そんなことを考えてるうちに指原は歩くのをやめた
「おなかすいた」
城を出てから水は飲んでいたが、食べ物を口にしていない、カバンとポケットには食料と少しの金がはいっていた。
出る前に城下で食べようと思ってはいたが、誰かに見つかったらそれこそ大変なことになる。
腹を鳴らし、目に涙をためながら、また、歩きはじめた
あれから歩き出して2時間がたった。もう限界だ そろそろ座って、休んだほうがいい。
近くの大きな木の下にカバンからだした毛布をかぶって座った。体が震える。
指原は、カバンから白い布に巻かれた大きなパンを出すとそれにかぶりついた
「あー普段はあまり美味しくないけどこういう状況だと、とてもおいしい」
本当は火をおこしてなにかを作りたかった。しかし、火を起こすこと=やばいと指原は思っていた。
今の指原は無断で城を出た。
つまり脱走兵なのである。
今頃もしかしたら、誰かが、こちらに向かっているのかもしれない
捕まったら、捕まったらで面倒なことになる指原はパンをしまうと再び歩き出した。
ふと右に目をやると遠くの方から小さな光がみえた
指原はそれを見てあわてて右をむいた。
時間とともに小さな光は大きくなりながらこちらに向かっていた
「やばい!誰かが来る!」
指原は自分の横にある茂みに咄嗟に身を隠した。
しばらくして、指原の近くに馬がとまった馬上で二人の人物が会話をしているのが聞こえてきた。
「あれ?おかしいな、確かにここに人がいたような気がしたのに」
その声をきいて指原は自分の口を手で塞ぐと身をさらに小さくかがめた
「やばい、やばい、やばい!」
指原はびくつきながらいるとひとりがこちらに向かって歩くのが見えた。
「もう、だめだぁ」
指原の茂みの前でとまると何かをひろってもう一人に見せた
「おたまる?どうしたの!」
「見て!かじりかけのパンが落ちてるよ!」
「やっぱり!こっちに来てたんだよ!さっしーは!」
「私、戻って報告してくるね」
「私、もう少し探してみる!」
二人は分かれるとその場を後にした
しばらくして、指原は二人がいなくなったのを見てはいつくばりながら出てきた
「ははっ..........パン.....もっていかれちゃった」
そして、泣きそうになった。
指原はふらついた足取りで再び進み始めた