両軍は川で激しくぶつかりあっていた
剣と剣が激しくぶつかり合う音と共に
悲鳴のような叫び声が飛びかっていた
川の中央で指原は馬上で槍をふるっていた
「おりゃー!」
指原は自分に向かってきた敵に槍を突き刺した
槍を抜くと血を吹き出しながらその場に倒れた
指原は槍を一心不乱に振りかざしていた
何時の間にか指原の周りは倒れた敵の死体が並び
その血で川は赤く染まっていた
「見たか!指原の力を!」
指原は叫びながら周りを見渡した
すると各方面で指原の部隊は明日香の部隊を全面的に押していて
優勢だった
指原が後ろを振り返ると
レオは川の手前で動かずに待機していた
その周りをレオの兵士が固めていた
明日香の部隊の何人もが飛びかっていったが
全員レオの兵の矢の前にたどり着く前に川に倒れていた
「レオくんもすごいな…指原も負けてられない!」
指原は槍を持ち直し手綱を掴むと
さらに川の中央の敵に突撃していった
「こんなやつら、指原1人で余裕だよ!」
指原は槍を振り払い周りの敵を吹き飛ばしていった
「おりゃ!おりゃ!おりゃー!」
指原は槍を連続で突き出していくと
1人、2人と倒していった
「はぁ、はぁ、少し疲れたなぁ」
指原は戦況を確認しようと
周りを見渡した
「えっ…嘘でしょ」
指原はある事に気づくと恐怖で震え出した。
指原の周りには敵ばかりで味方が一人もいなかった味方は指原の後ろで敵と交戦していた川の中央に1人で孤立していた。
「えー!?どうしようー!」
指原があたふたしていると
いつのまにか四方を敵に囲まれていた
「ここから…逃げないと…」
指原は手綱を掴むと退却をはじめようとした時だった
「今だ!」
誰かの叫び声と共に指原の目の前に敵が槍を横から突き出した
「うぉ!」
指原は槍を突き出されびっくりして後ろに仰け反ったと同時に手綱を引っ張ってしまい
馬が立ち上がってしまった
「待って!待って!落ち着いて」
指原は馬の首に必死にしがみついた
それと同時に槍を落としてしまった
「ヒヒーン!」
馬は体を揺らしていた
指原は耐えきれずに馬から落ちてしまった
バシャーン!
指原は川の水面に背中から落ちると
「いてぇー!」
背中をさすりながら起き上がると
目の前にはたくさんの敵が指原に向かって迫っていた
「やばい!」
指原は周りを見渡し自分の武器を探した
しかし、川の中に落としたため全く検討がつかなかった川は赤く染まっていて中がわからない
「あれは!」
指原の左に
何か棒状のものが浮かび上がっていた
「おりゃー!」
指原はそれに向かって飛ぶと
それを掴んで持ち上げた
自分の槍ではなかったがこだわってはいられない
指原は槍を掴み立ち上がろうとした時だった
「痛い!」
指原は背中に痛みを感じるとうつ伏せに倒れた
指原は再度立ち上がろうとしたが
背中に重みを感じて立ち上がれずにいた
「立てない…どうして?」
指原は困惑してると後ろから声が聞こえた
「それは私が座ってるからだよぴーや!」
指原はその声に聞き覚えがあったその人物は指原がアイドル当時ニガテな先輩であまり関わりたくない人物だった
指原はゆっくりと顔を後ろに向けた
するとそこには
白い歯をみせながら笑顔で微笑む明日香の姿があった
「も、もちくらさん…」
指原は久しぶりに明日香を見て苦笑いしていた
「ひぃぁぁぁぁぁぁ」
「ぴーや動かないで!触りづらい」
明日香の耳に対する攻撃を受けて指原は断末魔をあげていた
足をバタバタさせながら暴れて抵抗していたが
耳を強めに触られておとなしくなった
しかし、指原はイチカバチかの賭けに出ようとしていた。
「もちくらさんは今私の耳に夢中になってる今がチャンスだ…」
指原は今、川でうつ伏せになっている
その右手には剣を握っていた
先ほど明日香の耳攻撃のさいに
川の中で偶然見つけたものだ
「これでもちくらさんを斬りつけて、一気にレオくんの所まで走ろう…」
指原は機会を伺っていた
するとすぐにその時はやってきた
「ぴーや!ゆきりんが待ってるから一緒に来てもらうよ」
明日香は馬乗りになりながら指原に話すと
指原は首を縦に振ると再度剣を強めに握り直した
「ぴーや!変な事考えないでよ」
明日香は立ち上がって指原からどくと
指原に背を向けた
「今がチャンスだ!」
指原はゆっくりと膝をつきながら起き上がると剣を握り直した
「振り返った瞬間に…ズバッと」
指原は心で言い聞かせると明日香を呼んだ
「も…も…もちくらさん!」
思わす声が裏返ってしまったが
それが幸いしたのか明日香は笑いながら振り返った
「何?ぴーや」
「今だ!」
明日香の振り返った瞬間指原は持っていた剣を振り上げた
その際目をつぶったためどうなったかわからないが指原はすぐに目を開けるとそこには明日香の姿はなかった
「よく…わかんないけど…とにかく…逃げよう!」
指原は反転して逃げようとした時だった
「ひどいよ…ぴーや…」
明日香の声がして指原は振り返った
そこには明日香が立っていた
「やばい!…どうしよう」
指原が後ずさりすると後ろの誰かにぶつかる振り返ると
そこにも明日香が立っていた
「瞬間移動⁉」
指原が混乱していると
また明日香の声がした
振り返るとそこには明日香が三人立っていた
「えっ…⁉」
指原はまた振り返るとそこには明日香が5人立っていた
「なんなんだよ….これ…」
指原が少し怯えはじめた時だった
急に複数の明日香が指原の周りを走り始めた
指原は周りを見渡していると明日香の声がしてきた
「ぴーや!」「ひどいよ」「耳、耳!」「ぴーやどこ見てんの」
「こっちだよ!」
指原は剣を落とすと頭を抱えてうつ伏せになった
「もう…やめて」
「ぴーや、どうしたの?」「具合悪いの」「ぴーや」「ぴーや? ぴーや、ぴーや、ぴーや、大丈夫?ぴーや、ぴーや、ぴーや、起きて!ぴーや、ぴーや」
「もう…やめてくれ…」
すると明日香達は走るのを辞めて全員が
指原に向いた
それを見て指原は少し安堵したのか
落ち着いていた
すると明日香が1人指原に向かって迫ってきた
明日香は指原の耳元でつぶやいた
「迎えに来たよ…ぴーや…」
指原が横を向くと明日香がニタリッと微笑んだ。
「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
指原の絶叫した声が鳴り響く
それは対岸のレオにも
届いていた
「まずい!」
レオは指原の様子に危険を感じるとすぐに指原の方に兵を連れて向かった
「もう…やめてください…お願いします…お願いします…」
指原は青ざめ体は震えていた
「この辺でいいかな?」
明日香は立ち上がって指原に手をかけようとした時だった
突然明日香の目の前を馬が通りすぎた明日香はびっくりして尻もちをついた
明日香は起き上がると指原が
いなくなっていた
「あれ!?」
明日香は周りを見渡していると指原と共に懐かしい人物を見つけた
「レオ!…」
「…………」
そこには指原を前に馬に乗せていたレオがいた
明日香はレオを睨みつけていたが、
明日香の兵士が迫っていたため
レオは無言ですぐに引き返した
明日香は舌打ちをして悔しがっていた
「後もう少し…だったのに」
「とりあえず、ぴーやは痛めつけたし、今は引こう」
明日香はそう言うと川を後にした
「全員戦いながらゆっくり退却してください」
レオはそう言うと各部隊に伝令を送ると
戦意を喪失した指原を兵に後方移送させた
定位置に戻り退却の様子を伺いながら
弓を利用して援護射撃しながら
各部隊は退却をはじめた
右翼から兵が下がりはじめたそれを見て敵側も攻撃をしなかった
味方は全員退却するのを見て
レオは兵と共に最後に下がりはじめた。
本陣につくとレオはあきちゃに報告をおこなった。
「策は失敗でした」
レオの言葉にあきちゃは黙って頷いたすると二人はある一点に目をやるとそこにはうなされていた指原が横になっていた
「もちくらさんが1人…もちくらさんが2人…もちくらさんがたくさん…ぐへへへ」
それを見て二人は悩み出した
「被害はどう?」
あきちゃはレオに訪ねると
レオは図面に置いてあった駒を一つ取り払った
「指原さんの被害が大きいです。やはり彼女には無理でした」
「僕の過大評価です…すいません」
レオはあきちゃに頭を下げた
「ううん、まだまだこれからっ!元気出そう」
あきちゃはレオを起こすと笑顔で微笑んだ
レオはそれを見て少し安堵していた
「次の作戦のために移動します。」
レオはあきちゃに一礼して
出て行った
「さっしーは任せて!」
あきちゃはレオの後ろを見つめていた