病院について | モモロの核心に近いところ

モモロの核心に近いところ

思い思い、浮かんだことをつづっていくところ。矛盾だって御愛嬌。

いつかどこかのブログで確か「病院が嫌い」と綴った記憶がある。
上の階の人間のせいで
完全に目が覚めてしまったうえに、
空腹でどうも上手く寝付けない。
そんな深夜テンションで
私と病院についての思い出を綴ろうと思う。

暇だし。

そもそも私は薬が飲めない。
大人になっても一向に克服できない。
私が飲めるのは錠剤だけで、
粉薬なんて以ての外だ。
だから胃もたれした時は
ただ時が過ぎるのを待つしかないのである。
しかし、薬を避け続けていては
完治する確率しかない病も、
目が回るほどの熱も引かないのである。
意を決して薬を飲んだあとは
確かに楽になる。それは分かっているのだ。

私の記憶にある中でいちばん辛い思いをさせやがったあの病の名は「肺炎」である。
忘れもしない、中2の夏休み終わりの出来事である。

友人と夏祭りに出かけた次の日に
今までにないダルさと寒気が私を襲った。
最初熱を測った時は7度後半で、
ただの風邪だろうと高を括っていたが
時間が過ぎるにつれ、
どうも今までの風邪とは違う感じがした。
数時間後に再び熱を測ると
40度になっていた。
とにかく身体が重く、病院に行くのもやっとだった。
やっとの事で診察を受けるが、
病の根源というのは、インフルもそうだが
その日のうちに発見されることは無い。
とりあえず解熱剤をもらい
その日は終わった。

しかし幾度薬を飲めど
それは一時の誤魔化しにしかならず、
薬が切れればまた40度の高熱にうなされる。
まだ終わってない夏休みの課題への不安、
下がらない熱への不安を抱え
布団の中で熱にうなされ続ける。
なんて楽しくない夏休みの思い出なのだろうか。

解熱剤が無くなり
次の日の夜に病院へと連れて行かれた。
高熱で食事を取っていなかったため、
採血で貧血を起こし倒れてしまったことも
覚えている。
あの感覚は言うならば、木星に立った時の体感重力と同じではないだろうか。

体を張って採血したのにもかかわらず、
その小さな病院では分からなかったため
私は街で1番大きな病院へと連行された。
できれば一刻も早く家に帰って寝たかった。
病院独特のあの空気感に晒されるだけで
もっと熱が上がりそうな気がするのだ。

その病院でも採血をし、
(ここでは倒れなかった)
色々な検査をして、
救急外来だかどこかでようやく横になり
検査結果を待っていた。
大きな病院にいる、という安心感からなのか
動き回る看護師を後目に案外冷静になれていた。
もしかしたら自分は大病を患ったのかもしれない。
だとしたら入院だろうか。
学校のみんなは心配するのだろうか。
この熱はいつになったら下がるのか。
もし中途半端に治ってしまったら
課題をどう誤魔化したらいいのか。
そんなことを考えていた気がする。

検査結果は芳しくなく
片方の肺が真っ白になっていた。
肺の中に電球でもあるのかと思うほど
真っ白になっていた。

真っ白な白衣に身を包んだ医者は
入院するか否かを親に尋ねていた。
割と重症のようだが、
入院せずとも時間をかければ在宅でも治るらしい。
中学生の私は好奇心が旺盛で入院に意欲的だったが、親の意向で在宅治療になった。

完治までの日々は長かった。
まず1番に戦わなければならなかったのは
粉薬である。
口の中に撒き散らされる粉どもを
うまい具合に、味覚が刺激する前に胃に流し込まなければならない。
あの薬の苦味、不快感……
なぜこの粉をまとめて錠剤にしてくれないのかと何度も薬剤師を恨んだものだった。
一向に薬を飲まない私を見て親も弟もイライラしていた。とても惨めであった。

そんな粉薬も、何回か回数をこなしようやくコツを掴めてきた。
熱も下がり、あと数回の通院を残すのみ。
幸運なことに、病み上がりだから、という理由で私の始業式は数日ずれ込んだ。
そのおかげで過去最低クオリティの課題を完成させることが出来た。
熱が引いたあともドクターストップで走ることを禁じられた点からも、今回の病の重症度がわかる。

熱が下がり、ほぼ普通の状態で
あの大きな病院に通院した為、
病院がどういう所なのか鮮明に目に焼き付いてきた。
病院なのだからみんなどこかしらに
辛いところを抱えている。
それは目に見えてわかる人も
パッと見元気そうな人もいるが、
やはり病院という独特の雰囲気のせいで
顔色はみんな悪く私の目に映った。
長い待ち時間、中2の自分じゃとても楽しめそうにない番組ばかりを映すモニター
せっかく外は晴れているのに
大病院特有の生と死が混在するあの空気感に身を置くのがとても苦痛だった。
熱にうなされていたあの時は安心していたのに、元気になった途端近寄れなくなってしまうのである。
後にまた何度か大病院に行くのだが
やっぱりあの空気に慣れることはできなかった。

日が登ってきた。
あの大病院にも
同じように日が差すのだろうか。