寝苦しい夜だな・・・・、あえて一人を楽しみたい時間、そんな気持ちの時、本を抱え込みます。
最近,百田尚樹の本が続きます。
影法師 良かったです。
面白い、人間味のある物語でした。時代物ですが、今の世にも十分当てはまる男の友情物語。
江戸の上士、中士,下士 の武士の厳しい上下関係の中、武道を通して若者の友情が生まれて来る。
自分の立場を良く理解し我が藩のため国のため語り、反発もし、成長して行く。
そんな仲間から2人の青年が浮き彫りになる。リーダー格の立派な人格者彦四郎と下士で貧しい勘
一。勘一はいつも彦四郎を尊敬している。勘一は貧しさから、自分の周り、藩を変えて行こうと
意欲を持ち微力ながらも頑張る。そんな彼を陰で支えるのが彦四郎。
時代の移り変わりに2人にも変化が現れて来る。そして後半、勘一は姿を見せなくなった彦四郎
の本当の気持ちに気づく。遠くにいた友が最も近くに寄り添っていた事に、涙以上に我が身が震える友の心情を知る。読み終わって、読者をも身を引き締めさせる、余韻の残る本でした。