英語が割と分かる人に注意して頂きたいこと。我が家の子供達は空手を習っています。
先生はアメリカの方なので
日本人の私としては
時々彼の日本語発音に微笑ましくなります。
(数を数えたり、要所要所で日本語の専門用語を使うので)
先生を呼ぶ時も "Sensei" と言うのですが
日本語的に「○○先生」というのではなく
英語的に(Mr.○○やMrs.○○のように) "Sensei ○○" と言います。
こういうのを聞いて、あなたはどう思いますか?
「え、Senseiっていう単語を使うなら
ちゃんと日本語みたいに、○○ Senseiっていう語順にしてよ」
と、思いますか?
(*^^*)
あなたの意見ですから
どういうふうに思って頂いても構わないのですが
英語を学んでいる一人の人間として
少し皆さんにも考えて頂きたいことをシェアさせてください。
どの言語も、他の言語から単語を借りることがあります。
例えば日本語の「絵文字」が、英語でそのまま "emoji" と使われたり
「津波」が "tsunami" と使われたり。
こういったものを、言語学では Language Borrowing と呼びます。
日本語のカタカナ英語もそうですね。
レストラン、ハンバーガー、ジュース、コーチ…。
こういうのは全て Borrowed Language(借用語)です。
ちなみに日本語の場合は
外国語からの借用語は基本的に全てカタカナで表現するので
(昔の中国語やらは異なりますが)
どの単語が借用語なのかがすごく分かりやすいですよね。
こういった Language Borrowing が起きた時に注目すべきなのは
「どれだけ、元の言語システムに忠実な使われ方をしているかどうか」
ではなく
「その Language Borrowing をするに至った経緯や Borrower 側の心情」
だと思うんです。我が家の子供達が通う空手教室の例で言うと
例え "Sensei" という単語が置かれる場所が
日本語のそれと異なっていたとしても
そこには好意的な異文化交流があるわけです。
日本で発祥して、今もなお人々が大事にしてきている
「空手」というスポーツに敬意を払っているからこそ
英語の "Master" や "Teacher"という単語で済ますのではなく、
"Sensei" という単語を直接借りてきているのだと思います。
(もちろん、単に「箔がつくから」「格好良い響きだから」
「他の道場もそうしているから」という理由で
その単語を使っているかもしれませんが、
それでも「空手」や「日本」に好意的な想いがなければ
わざわざ「空手」を教えないだろうし、
レッスン中に日本語を使うことはないですよね。)
少し前に、日本人の若者の間で流行った
「空港なう」「喫茶店わず」というような、
英単語の "now" や "was"("I was at..." などの "was" ですね)の使用も
英語に対して好意的な想いがあるからこそ、始まったんでしょうね。
もちろん、好意的な Language Borrowing だけではありません。
悪意を持った上での Language Borrowing もあるでしょうし
(特にネガティブな意味を持つ言葉なんかは)、
便宜上 Language Borrowing が必要となっただけの場合もあるでしょう
("tsunami" はおそらくこれでしょうね)。
でも、
ただ表面だけを見て
「その単語の使われ方が正しいかどうか」のみを
浅く考えるのではなく
「どうしてこの単語が
他言語で受け入れられることになったのかな?」ということを
少し頭にチラつかせるだけで
そこから大きな世界観が見えたりするんです。
言語を見て、新しい世界観を発見する。
外国語を学ぶ醍醐味でもありますよね。
英語力がついてくると
他の日本人や外国人が話している英語を聞いて
「あ、この英単語の使われ方は違う」
「こんな英文、ネイティブは絶対言わないよ」
などと、ついついあら捜しをしてしまう人も多いのですが
そういった思考によって生み出されるのは
せいぜい「ほらね、自分のほうが英語が出来る」という思い込みくらいです。
It doesn't make you any smarter.
それよりも、せっかくなら
そういった「表面化されている言語使用」に隠されている
「少し奥の部分」にも注意を払うようにしてみてください。
そのほうがずっと、ポジティブな学びを得ることが出来ます。
多文化や他言語に対するポジティブな学びは、
巡り巡って皆さんの英語学習にもポジティブな影響をもたらしますからね。
(*^^*)
今日も読んでくださってありがとうございます。
ミツイ 直子
