上越新幹線やコシヒカリの原点!?新潟の巨大水路「大河津分水」 (2021/7/21) | ドリームハウス南蘭得 - 秩父とダムと鉄道と。

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また、1~2か月に1回程度「秩父紀行」を投稿します(予定)。

明日、待ちに待ったワクワクチンチンを打つことになりました。

 

9月の初めに友達と北海道に行ったり、そのまま直で大阪のライブに行ったりするので、

その2週間前までに何としても2回打ち終えたい、と思っていたところにようやく接種券が届いたのでした。

コロナを拾ってライブに行けなくなるのはオタクにとって致命的な話ですからね、

などと呑気なことを言ったら自粛過激派に怒られそうですね (笑)

 

なので、近所の病院の予約サイトで3時間近く早押し大会に参戦し、なんとか直近のキャンセルを勝ち取ったのでした。

その日は大学生向けの集団接種 (?) みたいなやつの受付が始まる日でもありましたが、

受付開始と同時にアクセスを試みるも接続まで2時間半待ちなどと言われ、しかも待てば待つほど待ち時間が増えていき、

ストレスでコロナよりも重い病気になりそうだったのでさっさと別れを告げたのでした。

 

最近はオリンピックとか緊急事態の再発とかでますます過激派同士の対立が高まっていますが、

批判や文句をごちゃごちゃ言ったところで他人の行動には一切影響を与えない、ということはこのコロナ禍でとっくに分かりきったことですから 、

他人云々ではなく、自分自身が感染したり感染源になったりしないように、自分ができる努力や気遣いを黙ってやっていれば良いような気がしますが、違うのでしょうか。

100%防げる方法はないので結果論にはなりますが、世の中の状況がどうであれ自分が感染さえしなければ他人事ですからね。


まあ、過激派って結局は自分の承認欲求をコントロール出来てないだけのような気がしますが (笑)

 

さて、この日は新潟県の発展に大きく貢献した土木施設を見学するため、

上越新幹線に乗って長岡へ。

 

乗り換えのバスまで時間がある (というかわざと時間をとった) ので、もう1つ見たいものを。

JR長岡駅から歩いて30分ほどのところにある「長生橋」です。

橋についてはそんなに長く語れないのですが、wikiによると多連・上曲弦式トラス橋として日本で唯一現存している橋のようです。

 

補強工事で足場が組まれているところもありますが、

道路橋なのに長大すぎるトラス橋、とても美しいです。

 

天気が良いので映えますね。

 

なんでこんなに手の込んだ作りにしたのかは分かりませんが、以前の橋は自動車が発達した時期に重みでの揺れが問題となり (←出典はwiki)、さらにこの信濃川は川幅が異常に広いので、

スパンを長くとれてたわみも少なくできるトラス橋が選ばれるメリットは大きい気がします。

 

長岡駅に戻ります。

 

どうでも良いですが、長岡駅前で見かけた川、

天気が良いのに氾濫しそうなくらいタプタプなのはなぜでしょうか?

 

長岡駅からバスで目的の場所に向かいます。

乗車する分水駅行きのバスは1日に5便しかありません。

 

1時間ほどで目的の大河津分水に到着です。

(写真は資料館から分水路を見た様子)

 

大河津分水は、信濃川の水の一部を途中で海に逃がすための分水路です。

逃がす、と言っても全長は9 kmくらいあります。

 

分水路が作られた経緯について説明します。

 

この大河津分水が出来る前、越後平野は大水害地帯で、3年に1度の頻度で浸水被害が発生していました。

しかも両側を山に囲まれた地形のため、一度水が流入すると水の逃げ道が無く、

浸水したままの状態が長く続いたことも度々あったそうです。

 

加えて、そのような土地柄から、越後平野では鳥すら食べない「鳥またぎ米」と呼ばれるほど質の悪い米しか作れず、

農業にも恵まれない貧しい地域として知られていました。

 

このような背景から、1730年頃には分水路の建設の声が挙がっていましたが、

技術や費用の面からなかなか上手く進みませんでした。

1870年に一度掘削工事が始まりますが、数年で中断されてしまいます。

 

ところが、1896年に「横田切れ」と呼ばれる大水害が発生。

沿川各地で堤防が決壊し、越後平野の全域が1か月間浸水したままの状態に。

住居や食料が失われただけでなく、浸水した不衛生な環境下で伝染病が流行し人々を苦しめました。

 

この大水害をきっかけに政府が本格的に動き出し、1922年にようやく分水路が完成。

分水路の完成により水害のリスクが減って農業が盛んになり、やがて誰もが知る米どころとして成長していきました。

 

さらに、平野のど真ん中に上越新幹線や関越道を通せるようになり、交通網が発達していきました。

大河津分水が整備されるよりも前からあるJR信越線を地図上で見てみると、

水害リスクが高かった越後平野をわざわざ避けて、山沿いを遠回りしていることが分かります。

 

もし大河津分水が整備されていなかったら、越後平野は発達することが出来ず、

今では当たり前のように存在するコシヒカリや上越新幹線も無かったのかもしれませんね。

 

資料館に分かりやすい地図があったので引用します。

右側が信濃川の本流、左側に分かれている幅の広い川が大河津分水です。

 

それぞれに水門があり、普段は両方とも開いていますが、

大雨が降って増水すると、本流側の水門 (洗堰) を閉じて分水側の水門 (可動堰) だけを開け、

信濃川下流の氾濫リスクを軽減します。

 

クソ暑いですが水門を見物。

こちらは本流側にある洗堰です。

 

分水側に多くの水を逃がしているとはいえ、こちら側もすごい勢いで大量の水が流れ出ています。

さすがは日本三大河川。大迫力です。

 

堰の上を渡ろうとすると、端っこに魚道を発見。

 

反対側にも魚道っぽいものがあります。

 

考えてみれば当然ですが、魚道にもちゃんと水門が付いています。

川幅が広いだけあり、魚道も数が多いですね。

 

これは船のエレベーター的なやつですかね?

 

洗堰のすぐ横に2000年頃まで使われていた旧洗堰があります。

先ほど見た巨大な川がかつてはここを流れていたことになります。

あの量の川の流れを土木工事の力で変えたと考えると、凄いことですよね。

 

【 大河津洗堰 (新) のプロフィール 】 
■河川名 : 信濃川
■堰長 (幅) : 167.52 m

■ゲート : 油圧シリンダー自走式×5門
■管理者 : 国土交通省

■着工~完成年 : 1996年~2000年

※データ引用元 : 堰カード

 

続いて、分水路側の水門 (可動堰) に向かいます。

 

分水路を下流側に進んでいくと、旧可動堰が見えてきます。

 

さらに進んで、ようやく現在の可動堰。

どうしてここからの写真しか無いのかというと、

工事の関係で可動堰付近は立ち入り禁止で、ここからしか撮れなかったからです。

 

この可動堰の特徴としては、一般的な上下に動く水門とは異なり、回転するようにして動作する「ラジアルゲート」が採用されています。

ラジアルゲートといえばダムの洪水吐によく使われるゲートです。水門では珍しいような気がします。

 

【 大河津可動堰 (新) のプロフィール 】 
■河川名 : 大河津分水路
■堰長 (幅) : 293.1 m

■ゲート : 

制水ゲート ラジアルゲート×2門

調節ゲート ラジアルゲート×4門、フラップゲート×4門
■管理者 : 国土交通省

■着工~完成 : 2006年~2011年

※データ引用元 : 堰カード

 

それにしても、来る時期を完全に間違えましたね。

この日の気温は32℃。ここから次の目的地である分水駅までは徒歩20分。

こういう時、「溶けそう」などという誰もが小学校低学年くらいに言い始めて以来全く成長しないレベルの低い比喩表現しか出てこないのは、暑さで脳がやられているからなのでしょうか。

 

分水駅です。

大河津分水の可動堰をイメージしたデザインらしいのですが、私にはよく分かりませんでした。

 

ここから吉田まで行って弥彦線に乗り換えれば燕三条に出れますが、

せっかくなのでそのまま越後線で新潟まで行くことにします。

 

新潟に行った目的はコレ。バスセンターのカレー。

ケンミンショーで見てからずっと食べたかったんですよね。

本当に「昔ながらのカレー」って言葉がぴったりで、辛さも「辛い」と言うほどではないけどちゃんとスパイシーで、

量が多めでもパクパク食べれるちょうど良い味わいでした。

 

さすがにカレーだけだともの足りないから駅弁でも買って補おうかな、と思っていたのですが、

意外と量が多くてこれだけでも十分満足できました。

 

 

帰りはマックスのグリーン車です。

 

もうすぐ無くなってしまう2階建て新幹線。

こうして改めて見るとデカいですね。

 

最近の電車は凝ったデザインの車両が多くなりましたが、

2階建て新幹線みたいに車体構造そのものが特徴的な電車は少なくなった気がします。

効率化の流れでしょうが、なんだか寂しいですね。

 

何はともあれ、前から気になっていた大河津分水の見学と、マックスの乗り納めを同時に達成できて良かったです。

 

今日もご覧いただきありがとうございます。