何故医療介護福祉業界には多職種がいるのだろうか | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

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7月に多職種連携についての研修をするので、


改めて多職種連携について考え直してます。


最初の疑問は、


「なぜ医療、介護、福祉など人の健康に関わる仕事は、


こんなに多くの仕事があるのだろうか?」



ということ。


ざっと私が思いついた中で


医師


歯科医師


薬剤師


看護師


検査技師


放射線技師


理学療法士


作業療法士


言語聴覚士


介護支援専門員


社会福祉士


介護福祉士


精神保健福祉士


管理栄養士


臨床心理士




などなど。


まあいっぱいあるわけで、


なんでこんなに多くの職種があるのだろうか?


とか思います。



まあもちろん必要性があるから


たくさんの職種があるわけですが、、、





たくさん仕事を作って、


それに特化した職種ができればできるほど、


その分野については専門的になっていくけど、


どこかトータルで人を見れる人がいなくなるようにも思うし、


職種によって人を分割し、お互いの立場を主張し、


わかりあうことが難しくなるのではなかろうか?


とかそんなことを日々思います。



今は作業療法士だって一つの仕事だけど、


これだってもっと分化が進めば、


対象疾患別に、


資格そのものが分割することだってあるかもしれません。


医師は歯科医と医師にわかれてますしね。さらに診療科ごとに分かれることだってあるのかもしれません。



分業することで、より専門的になり、


効率が良くなるというのはわかるのですが、


昔は医者と看護師だけいれば、


それだけで病院はなんでもやっていた


なんて聞くと、


こうやって職種で分けていったのは、


どういう経緯があるのだろうと思います。




そこで、、、


人のケアに関する仕事の分業の歴史を調べてみると、


最も古いところで、


医薬分業ということをみつけました。



医薬分業とは、


薬を処方する医師と


薬を実際に扱う薬剤師を


分けるということ。


これは歴史が古く


ヨーロッパでは800年近い歴史があり、


神聖ローマ帝国のフリードリヒⅡ世(1194~1250年)が


毒殺を怖れて、主治医の処方した薬を別の者にチェックさせたのが始まりなんだそうです。


この話を読んで、私は腑に落ちました。



つまり、医師と薬剤師は


お互い別の価値観を持つことが大切で、


お互いが意見は常に一致する必要はないのです。



むしろ意見が合わない方が、


患者の安全という意味では、


チェック機能が良く働くということになります。





多職種連携というと、


様々な職種が、集まって


共通の目標に向かって


意見を合わせていくのが


いい連携みたいなイメージがありましたが、


医薬分業の歴史を学ぶと、


そもそもお互いが立場が違うことが大切で、


意見が合わないところから


スタートするというのが大事なのでしょう。




そう考えると多職種連携の場面において、


意見が合わない。


お互い価値観が違う。


ことはむしろ必然なのだと思いました。


意見が合わないからこそ


多職種が必要なのです。



あまり意見が合いすぎる職場は、


先ほどの例だと、


医師と薬剤師が結託して王様を殺すこともできる。


そういう危険性もあるということなんでしょう。。


そう考えると良い多職種連携というのは、



みんなの意見がピタッとあうことにこだわるより、


みんな違ってみんないいというか


意見が合わないことを認め合えるようなコミュニケーションが大切ということなのかと思います。