コミュニケーション能力は昔より今のほうが高度なものが必要になっているんじゃないかと思う。 | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

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現役の作業療法士が、リハビリ職のためのやる気を高めるNLPコミュニケーション術をお伝えいたします!NLPを用いたコミュニケーションセミナーを行っています!

「コミュニケーション」というものを

自分なりに考えて今までブログなりセミナーなり

発信し続けてきました。


その中で気になる言葉が、

「近頃の学生は、コミュニケーション力が低くて、、、」


というものです。


学生を「新人」にも「若者」

に替えてもよいと思うのですが、

このような言葉が気になるようになってきました。

若者のコミュニケーションスキルは本当に

昔の若者より落ちているのでしょうか?

よく言われることは、

核家族化が進み、

お年寄りと話す機会を持つ若者が少なくなり、

お年寄りとの話し方がわからない若者が増えた。

とか


メールやチャット、ラインやSNSなどの

コミュニケーションツールが増えて、


面と向かってのコミュニケーションが

苦手な若者が増えた。

なんてことが言われていますが、

本当にそうなんだろうか?

と思ってしまいます。







確かにそれもあるのかもしれませんが、

私は社会が昔より高度なコミュニケーションスキルを要求するようになった。


そういう時代になったとも

言えるのではないか?

と思っています。

昔は若者や学生のコミュニケーションスキルが拙かったとしても、

それを受け入れて若者の声に耳を傾けようとする社会があったのではないか?


しかし現在は、そのような若者に対してゆとりのある社会ではなく、


コミュニケーションスキルの低いものは、

即座に、「コミュニケーション力が低い」などと判断され


「もっとうまく話せ!」

「もっと話をちゃんと聴け!」

「もっと空気を読んで行動しろ!」

など、過度に高いコミュニケーション力を強要する社会になりつつあるのではないか?


なんだか私はそんな風に思ってしまいます。


近年「大人の発達障害」という言葉が

よく聞かれるようになってきました。

いかにも大人の発達障害の人が増えているように思いますが

本当は、今までの社会では

さほど問題とならなかった

ちょっと変わった人が、

今は大人の発達障害という言葉を使って説明しないと

すまない世の中になっているのではないかと思うのです。




私は精神科医療の世界に10年ちょっと働きましたが、

この10年を見てみても、

新人の作業療法士に求められる

コミュニケーション的な課題というのは

明らかにハードルが上がっているように思うのです。

医療の現場において仕事というのは
複雑化する一方です。

書くべき書類もどんどん増えていきますし

確認すべき事柄も増えていくばかりです。


OTの大先輩たちの体験談である

下記のような本を読んでみると、




「昔はなんでもやらせてもらえた」

「今と違ってあれこれ細かく言われることなんてなかった。」

というような発言をする先生がたくさんいます。

これを読むたびに昔の作業療法士の仕事は、

今より気楽にいろんなことにチャレンジできたのではないか?

そんな思いに駆られます。


例えば、昔は病院で料理のプログラムをやるときなんかでも、

こんなことをやります。と

簡単に説明すればよかったようなことでも、

今は必ず企画書を作り、

リスクを説明し

効果を説明し、

コストを計算し、

いろんなことを説明し

進めていかなくてはなりません。


あたりまえでしょ?

って思う人はいるかと思うのですが、


その説明するべきことのレベルが

年々上がっているように思うのです。


医療事故があったり、

クレームがあったり、

診療報酬上の問題が起きたり


そういうことが起こるたびに、

我々の仕事は何をするにも

説明しなくてはいけないことが

増えていくように思います。




では、どうしたらいいのか?

私なりに考えていることです。

1)まずは、昔と今は違うという意識を持って現実をとらえる

⇨昔の常識を新人や学生に押し付けない

ニュートラルに事実を確認するように心がける



2)そうはいっても現在は過去の延長線上で起きているので、


なぜこのようになっているのか、歴史をよく知るように勉強する。


⇨医療、福祉、リハビリテーションの歴史、自分の職場の歴史もよく知るように心がけて、

歴史的な経緯から今を理解するように心がける


3)自己内対話を繰り返して、

自分が本当に伝えたいことは何か?
それを考える機会をなるべく多く作る。


私はこんなことを意識して日々やっています。

コミュニケーションについてまだ考えることはありますが、

まとまらなくなるので、

とりあえず今日はこの辺で、、