良い変化の方が気づきにくい? | 作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

作業療法士杉長彬(すぎながあきら)のやる気を高めるコミュニケーション

現役の作業療法士が、リハビリ職のためのやる気を高めるNLPコミュニケーション術をお伝えいたします!NLPを用いたコミュニケーションセミナーを行っています!

私は作業療法士として就職してからずっと精神科での仕事をしています。


今まで、私が出会ってきた患者さんを見ていて思う事は、

病気が慢性化している患者さんほど、自分が良くなっている事に気づきにくいという事を感じます。



確かに統合失調症などの精神疾患は、なかなか治りにくく、一生付き合っていく方も多い病気です。


しかし、そんな疾患であっても、
治療を続けているうちに、
ちょっとよくなっていたり、
する事も多々あります。


例えば、朝起きれるようになったり、
自分の言葉で体調の変化について話せるようになったり、
以前より落ち着いた顔つきになってきたり、、、

とかとかいろんな変化があったりするのです。



しかし、そういった良い変化っていうのは、案外自分では気づきにくいもののようです。



そして、治療者が気づいて、「前よりここが良くなっていますね」とフィードバックしても、
「いや。まだまだここが悪いんです。」
と良くなっていない所を自ら見つけだし、
「全然良くなっていない」アピールをするかのように見えるのです。




これは、まるで自分の病気が良くなっているのを認めたくないかのように、見えるのです。


そういった方の良くなってないアピールを私は、「そういう事もありますね」と傾聴しつつも、「それでもここはずいぶん良くなっていますよ。」
と常に正のフィードバックをできるように心がけています。




慢性的な疾患を持つ方々は、もしかすると以前から

「もしかしたら病気がよくなったかも?」→「いや、やっぱりよくなってなかった↓」

というような、希望と失望の繰り返しを何年間もしてきたのかもしれません。



そういった事を繰り返すうちに、初めから、良くなる事について希望を抱かなくなったのかもしれません。

「どうせよくなっていない」って思いこむ事で、いらぬ失望も避けようとしているのかもしれません。




多くの慢性的な精神疾患を持つ方と接しているうちに、私はそのような事を感じるようになりました。




精神疾患や慢性疾患において、我々治療者(特にリハビリやコメディカルスタッフ)が取り組むべきものは、病気そのものというより、病気に対する「どうせよくならない」という失望感こそ、取り組んでいくべきものなのではないかと思います。

(もちろん病気の治療もすごく大切だとは思います。)




私は、患者さんが「ひょっとしてよくなるかも!」とか
「昨日より今日の方がよくなっているかも!」とか、

少しでも感じてもらえ、希望を持てるような関わりがしたいなあと思います。



そのために大切な事は、実はセラピスト自身がポジティブである事だと私は思います。


ポジティブであるとすごく些細な事であっても、患者さんが良い変化をしているとそれに気づくことが出来ます。




セラピスト自身が、ネガティブだと、自分はダメなセラピストで、どうせ患者さんも良くなっている訳が無いっていうような眼で患者さんを見てしまうので、患者さんの些細な良い変化を見逃してしまいます。




私はそのように考えているので、とにかくポジティブでいたいなって思うのです。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


これから行うセミナーのお知らせです。
平成24年9月16日~17日
もっともっと伝え上手になるコミュニケーション術 リハ職のためのNLP入門講座

療法士のための自分軸コンサルティング
個別コンサルティング事業も行っています。


HPにてメルマガ配信しています