剣の究極……二刀流/二刀流 八重波会 -2ページ目

剣の究極……二刀流/二刀流 八重波会

古流剣術山口流を再編纂した「玄黄二刀流(げんこう にとうりゅう)」剣術・居合を稽古している
「二刀流 八重会(にとうりゅう やえなみかい)」です。

半年ほど前ですが、70歳を越えた杖術の先生の技を目の前で見る機会がありました。

基本の基本である「返し突き」と「逆手突き」だったのですが、驚いたことに、その動きが(速すぎて)見えませんでした。

さらに「返し突き」のときは、自分が打太刀として先生の正面に立ったのですが、その突きを避けられず、見事に吹っ飛ばされました。



よくYoutubeなどで、「消える動き」等々の武術動画が出ておりますが、これを生で見ると強烈です。しかもお元気とはいえご高齢の先生でしたから……。

その先生の動きをよく観察しお話も伺いましたが、大事なのは「身体の使い方」だと思い至りました。動きを速く、強くするために必要なのは筋トレ(筋肉を増やすこと)ではなく、今ある筋肉の使い方を変えることです。

筋トレしか手段が無かったら、年齢を重ねるにつれて力は弱く、動きは遅くなるはずです。しかし自分より遥かに年配の先生が、自分とは比較出来ない速い動きをしました。

これは実にイイ話です。時代劇や漫画に出てくる、とんでもなく強い老剣客(『タイガーマスク』の嵐先生とか……)が実在しうるわけですから!



……というような話を、昨日の稽古でしました。そして筋肉の使い方を変えるための基本的な稽古を。参加されていた60代のKさんが「僕にもまだ希望があるということですね!」と物凄く喜んでおられました。

先週末、上京して実にいろいろ稽古しておりました。

台風18号が沖縄をかすめて九州へ向かう中、飛行機に乗りました。那覇空港からの上昇中はずいぶんと揺れましたね…。大変スリリングでした。


10月4日(土曜日)は、神田本部道場にて御宗家による無外流・神道流剣術稽古。

この日は、

 ◎形(カタ)はその内に何を含んでいるのか


 ◎武術の形は踊りの形とどこが違うのか
 
 ◎道場剣法と実戦を橋渡しするものは何か

を学ぶ稽古になりました。頭も身体も柔軟でないと、こういう稽古にはついて行けません。終わった後どっと疲れました。



10月5日(日曜日)午前は、人形町にて神道夢想流杖術の稽古。

基本中の基本である「本手打」だけでほぼ三時間!! 手の内、手首、胴、腰、肘、体重、膝、杖の軌道、スピード、目付……。チェックする項目が凄まじく多いです。

傍から見ると単純に見える動きの中に、どれだけの要素が含まれているのか。もう脳みその情報処理では追いつかない感じがします。

打ち方一つでこうですから、形一つになると、もう天文学的な要素が…。しかし、これを身体で追求する際の興奮?は他では得られないものです。やめられないですね。



そしてこの日の午後は、台風による雨でずぶぬれになりながら、秋葉原パークサイドプラザ体育館へ(雨にぬれると杖が曲がるので心配でした…)。前の日記に書いた玄黄二刀流講習会です。

午前中の杖術稽古でグロッキーだったので、実を言うと二刀流の稽古中は半分意識が飛んでいました。こういう時の方が、よく切先に気が行く感じがしました(一緒に組んだ方の太刀をすっ飛ばしたりしたので、ちょっと痛い目に遭わせてしまったかもしれません。申し訳ない)。




そして帰りは、羽田空港で台風のため飛行機が大幅に遅延し、しかも行き以上に大揺れ…。深夜に帰宅しましたがもうボロボロでした。


この10月5日(日曜日)、東京は秋葉原のパークサイドプラザ体育館にて、玄黄二刀流御宗家による講習会、ならびに昇段審査会がありました。

玄黄二刀流の講習会は久しぶりのこと。当会からも二人が参加(沖縄と岩国より)。またイギリス、ボリビアからわざわざ参加された方もいらっしゃいました。



今回は居合ではなく剣術(組太刀)稽古のみ。基本の相対稽古から、すぐに形稽古に入りました。稽古は現代版袋竹刀を使用。



かなり稽古が進んだ方が多かったので、技の確認の後、みなさん遠慮なく速いスピードで体捌きを行っていました。


沖縄では出来るだけゆっくりと動いて、形を正確に身につけることをまず求めていますが、それ出来たら速い動きに慣れる必要があります。

速く、強く、重い打ちにどう対応するか。それにふさわしい姿勢、筋肉の使い方、目付等々があり、これは実際にそのスピードを体験するとよくわかります。


稽古の合間に昇段審査がありましたが。私も当会のもう一人の参加者も無事に昇段出来ました。



次回は12月の予定です。

※写真は「財団法人無外流」HP http://www.mugai.or.jp/kiroku/14nitoryu-kousyukai.htmlより転載させていただきました。御礼申し上げます。


本日の稽古からフランス人のVさんが入会となりました。

沖縄にお住まいの方です。

熱心な方で、フランス語でノートを取りつつ、素振り、打ち込み、基本相対稽古とこなしました。

最後に玄黄二刀流の形を二本。



初回にしてはかなりハードでした。

しかし、普段はエアコンをつけていただけない会場(公立の施設)で、なぜか手違いで冷房がつきっぱなし。実に快適でした。こういうミスは大歓迎です!
さてしばらくブログを放っておりましたが、稽古はみっちりおこなっております。


ところで、二刀流の問題点としてよく聞かれるのは、

(1)両手持ち(の一刀)に比べて斬撃力が劣るのではないか?
(2)右手と左手で異なる動きを、同時に行うことなど出来るか?

ということですが、これはどちらとも稽古で解消出来ます(時間はかかりますが)。


(1)に関しては筋トレというより、筋肉の使い方を変えることで対処します。はじめはどなたでも片腕の筋肉で刀を振り回そうとしますが、これは無理です。腕力を使うほど、切先の威力は減ります(これが不思議なところです)。

ではどうするのか? 他に力として使える所をみな使うのです。くわしくは稽古にて…。


(2)も稽古あるのみです。はじめのうちは左右を同時に動かすことが出来ず、「右、左」「左、右」と動きがずれてしまいます。しかしある時からピタリと同時に動かせるようになります。

このとき、何と言いますか、脳みそが分割されたような、不思議な感覚が現れます。おそらくピアノやヴァイオリンなどの楽器を扱う際も、そうなのではないかと想像していますが…。


この不思議な感覚を掴むと、世界が変わります(われわれは一刀の武術『無外流』、『神道流』etc. も稽古していますが、それらの動きもガラっと変わります)。