指定校推薦の話 | nito column

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二兎追う者は、二兎とも得る。
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日々の「気付き」を綴っていきます。

こんにちは、講師の木村です。


nitoには難関大学の受験をくぐり抜けてきた先生が多いのですが、今回はその先生たちには語ることのできない「指定校推薦」という特殊な入試方式について、木村がお話ししようと思います。


指定校推薦は、簡単にいうと「ほぼ合格できる大学受験」です。
場合によっては面接も課されますが、プロフィールと作文で終わりです。


さて、こんなにもおいしい話にはどんな裏があるのでしょうか。
キーワードは、「内申点」です。

指定校推薦には受験資格として一定の内申点が必要となります。
大学と学部学科によりますが、4.0以上のところが多いでしょうか。

行きたい大学に指定校枠があっても、入学からの内申平均が3.0では推薦してもらえません。


また、競争相手もネックといえばネックでしょう。
要求されている内申ラインを越えている生徒が複数いる場合には、
より高い内申点を有する生徒が推薦してもらえます。

高校からすれば、「優秀な」生徒を大学へ差し出すのが約束だからです。
つまり、自分の戦う相手が、顔も名前も知っている同じクラスの誰かということも起こりうるわけです。

(自分が勝っても相手が勝っても少しモヤモヤが残ります。)



そして何より重要なことは、三年間がんばり続けること。

これが一番大変なのではないでしょうか。


極端な言い方をすれば、一般受験の場合には、思い立ったときに勉強を始めれば間に合いますし、
間に合わなければ浪人という手段で志望校合格が可能になります。


一方指定校推薦では、三年の夏まではずっと見えないライバルと戦うことになります。

自分がいくらがんばったつもりでも、もっとがんばった誰かに内申点で負けたら負けです。


高校生活のどれだけを何に費やすか。


これが指定校推薦と一般受験を選ぶポイントです。

一般受験を考えている人は、

1,2年は高校生らしいことを満喫し、一切勉強せず、楽しむのもありでしょう。
部活、バイト、恋愛、行事…高校生活は楽しいことが目白押しです。


しかし、いざ大学受験が近づくと、一気に辛いことが襲います。


それまでしなかった勉強を基礎からやり直し、
たくさんの模試で土日がつぶれ、結果に落ち込まされ、
周囲の状況に一喜一憂し、焦り、自己嫌悪し、
一校3万5千円の受験料を何校も支払い、
滑り止めの大学には返還されない入学金30万を払い、
心身ともに疲れ果てても第一志望に受かるかどうかはわからない…

これを高校3年の夏から半年ほどの期間で経験します。




一方、指定校推薦で重視される内申点ですが、これを上げるの、大変だと思いますか?


担当教諭と仲良くなれば、いくらでも上がります。
私は一日自分で考えてもわからないときは先生に聞きに行き、

「ばかだけどやる気だけはあるんです」という姿勢を見せました。

その一環で全ての提出物を期限内に出し続けました。

課題を先生に聞けない時はその科目が得意な友人に頼んで教えてもらい、理解しようと努めました。
実技科目も積極的に取り組み、やる気だけは示しました。
その態度が意欲的とされ、試験もがんばりましたが
最終的な私の内申点は、4.7くらいでした。
(もう何年も昔のことなので記憶が曖昧です)

大学の採点者と高校の先生、どっちが自分に親身になってくれるかを考えれば、

取り入りやすいのは高校の先生です。



指定校は勉強ばっかりと思うかもしれませんが、
私は勉強以外にも、高校生活を楽しんだつもりです。


運動会や文化祭だって、全力投球で意欲を見せました。
私の担任は体育教諭だったこともあり、
何事にも一生懸命な姿を認めてくれました。
特に高校2年、17歳の私は、
勉強でもトップで、短期留学もして、
運動会のドッジボールで足を怪我しつつ
一目惚れした男子に自転車で二人乗りして
文化祭で告白されるという夏を経験し、
世界で一番輝いていると思っていました。



こんな私は、


受験資格4.3

プロフィールと4,000字の課題文


のみで、慶應義塾大学法学部法律学科に入学しました。


受験料は1校なので3万5千円ぽっきりです。

郵送等の面倒な手続きは高校がしてくれました。

合格通知が届いたのは11月30日で、とても優雅なお正月を過ごせました。



話は逸れましたが、
一般受験では、どれほどがんばっても報われない可能性があります。

高校受験とは比較にならない倍率です。

例えば倍率10倍で受かったら、その合格は9人の同じ志を持った人間の不合格の上に成り立ったものということになります。

一般受験をくぐり抜けた人からすれば、楽な道を選んだと思われるかもしれません。

しかし、指定校推薦も決して楽ではないということを
知っておいてください。


どちらがいいというものではありませんが、
なかなか聞けない指定校推薦についてのこの記事が、
誰かの役に立てば光栄です。





慶応義塾大学4年 木村