西武沿線で育ち、ずっと使っていた路線
大阪に来て、接する機会が減ったけれど、愛着は失っていません
上場廃止になる前の社長は、ワンマン社長で、メディアの露出も多く、真山仁の経済小説でもたびたび出てきていました
いわゆる悪名高い社長のイメージを持っています
東証上場廃止になったときは大きなインパクトでしたが、再上場果たしました
調べてみました
【沿革】
・西武鉄道
明治45年 武蔵野鉄道設立
大正4年 池袋~飯能間営業開始
昭和20年 旧西武鉄道(新宿線)を合併、西武農業鉄道と変更
昭和24年 東証上場
昭和43年 拝島線玉川上水~拝島間営業開始
昭和44年 吾野~西武秩父間営業開始
平成10年 東京メトロ相互運転開始
平成16年 上場廃止
・プリンスホテル
大正9年 箱根土地設立
大正13年 国立開発着手
・グループ再編
平成17年 堤氏の会社コクドの持ち株比率を減らし、西武HDを親会社、プリンスホテル、西武鉄道を子会社とする企業再編
コクドはNWコーポレーションを介して、西武HD株を保有しているが、持ち株比率は低下傾向にある
平成26年 東証再上場
【事業内容】
連結子会社51社、持分法適用関連会社1社、持分法非適用非連結子会社3社の56社で構成
都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業、不動産事業、それらと密接にかかわる建設事業、ハワイ事業及びその他の事業
・都市交通・沿革事業:鉄道業・バス業・沿革レジャー業(西武遊園地、狭山スキー場、フィットネスクラブ、としまえん)
・ホテル・レジャー事業:ホテル業(シティ・リゾート)、ゴルフ場業、ホテルは首都圏で13か所、北海道・箱根・軽井沢などのリゾート地で28か所を展開
・不動産事業:不動産賃貸業(西武鉄道が保有する駅構内や高架下店舗等)、賃貸マンション、BIGBOX高田馬場のように駅ビルに関連する施設
・建設事業:西武鉄道が土木工事、建築工事、戸建工事を請負
・ハワイ事業:ハワイホテル、ゴルフコースを運営
・その他:伊豆・箱根エリアおける伊豆箱根鉄道・レジャー施設の運営、滋賀県琵琶湖エリアにおける近江鉄道・不動産賃貸、西武ライオンズ
【業績 セグメント】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 |
一株配 |
連12.3 |
438,358 |
8,441 |
24.7 |
5 |
連13.3 |
459,220 |
15,608 |
45.6 |
7記 |
連14.3 |
473,441 |
18,317 |
53.6 |
6 |
連15.3 |
481,727 |
34,912 |
102.5 |
8 |
連16.3 |
508,081 |
57,207 |
167.9 |
17記 |
売上高は4,300-5,100億円で毎年増加傾向
利益も毎年増加しており、昨年は4年前の3.6倍になっています
セグメント(平成27年4月―28年3月)
百万 円 |
都市交通 沿線事業 |
ホテル・ レジャー 事業 |
不動産 事業 |
建設 事業 |
||
売上高 |
157,359 |
188,021 |
49,690 |
104,983 |
||
損益 |
25,884 |
20,628 |
14,528 |
3,694 |
||
ハワイ 事業 |
その他 (注)1 |
|
||||
19,303 |
37,543 |
|
||||
△836 |
1,083 |
|
||||
鉄道一辺倒ではなく、各セグメントのバランスが取れています
利益率も良いことが分かります
【財務諸表】
① 資産
・有形固定資産1兆2,862億円(83%)
鉄道・ホテルの会社だけあり、固定資産の保有額が大きい
・投資有価証券657億円(4%)
② 負債
・有利子負債8,389億円(54%)
負債額が大きい
・訴訟損失引当金3百万円
前期は14億円
訴訟に対する損失に備えるため引当金計上
③ 純利益
・自己資本比率25.2%
・利益剰余金1,394億円(9%)
・その他有価証券評価差額金125億円
④ 損益計算
・バス路線運行維持費補助金8億円
・支払利息95億円(売上比2%)
当期純利益が57億円なので、支払利息の大きさがわかります
・減損損失142億円
・工事負担金等受入額・工事負担金等圧縮損290億円
鉄道事業の工事の一部は地方公共団体等より、工事負担金(補助金と同義)を受けており、圧縮損を計上
・求償権計上益258億円
堤義明氏に対する有価証券報告書の虚偽記載の損害賠償請求訴訟による利益
求償権の履行の原資はNWコーポレーション(大株主)の株式売却であり、事業再編・株主構成は今後も進んでいくと思います
【トピック】
① 減損損失142億円
埼玉県の沿線事業の土地等128億円
新潟県のレジャー施設の土地等11億円
埼玉県は安比奈車両基地用地という鉄道路線用地を正式に断念したことによります
以前から、計画がとん挫しており、特別利益の多い当期に減損計上した意図を感じます
新潟県は苗場スキー場関係だと思います
新潟・北海道にホテル・スキー場を持っており、スキー人口の、積雪量が減少すると、追加減損の必要があると思いますが、資産額から推測すると、200億円が限度だと思います
② 有利子負債
西武HDは有利子負債が多く、長期借入金の借入利率1.4%も高いので、長期金利の動向が業績に影響すると思います
仮に金利が1%上昇すると、80億円支払利息が増加し、一瞬で赤字に転落します
③ 赤坂プリンスホテル
プリンスホテル赤坂の跡地に東京ガーデンテラス紀尾井町のオフィステナントの入居、商業ゾーンが平成28年5月に開業
④ 大株主
・NWコーポレーション14.95%
堤氏の会社元コクドであり、西武鉄道・プリンスホテル間で株式購入・売却を繰り返し、あるべき資本関係に調整している
・サーベランス・グループ14.48%
西武HDの経営関与や株式の買い増しを行う意向はなく、事業計画を支持しているが、現在も同比率を保有
⑤ 投資有価証券の内訳657億円
・住友不動産 152億円
・京浜急行電鉄 107億円
・セブン&アイ・HD 59億円
・東海旅客鉄道 20億円
・富士フィルム 14億円
事業に関連する持分が多いと思います
【株価 購入価額】
1,938円(2017.2.16)
0.77%(11:30) 配当利回り(会社予想)
15.00(2017/03) 1株配当(会社予想)
(連) 14.71倍(11:30) PER(会社予想)
(連) 1.70倍(11:30) PBR(実績)
(連) 131.77(2017/03)EPS(会社予想)
(連) 1,140.15(2016/03)BPS(実績)
PERは適正、PBRは割高
鉄道だと普通という感じ
平成29年2月9日に自己株取得を開示
有利子負債の規模・金利を考えると、自己株ではなく、有利子負債の圧縮が望ましいと思います
日本全体だと人口は減少しているが、埼玉は人口流入度ランキングNo.1
鉄道の業績の前提となる人口は、問題なし
ホテル事業は、東京オリンピックまでは問題なし
わからん!
根拠はないけど、PBR1.65倍=1,881円で購入しようと思います
以上