修理の出会い | 宝石時計西川

宝石時計西川

創業88周年 西川時計店のブログです。

豊橋市大手町138
TEL 0532-54-2751
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休 毎週火曜日・水曜日
駐車場4P有

豊橋 宝石時計の西川です。

 

今回は社長のつぶやきです☺️

 

 

 

今日は、人の出会い、縁の不思議さ、

 

私の時計店として時計に向かう心の持ち方、

 

今までのこと、これからのこと 深く考えさせられ

 

教えられることがたくさんありました。

 

 

 

西宮 修理士吉田さんがF宅ホールクロック(キニンガー製)修理で

 

分解掃除後、止まったり時間が合わなかったりで何回も調整を重ねてきました。

 

今回は時報が多く打つということでお伺いしました。

 

実際は1つ多く打つということでしたが 

 

永く鳴らないように止めておくと起こる現象で、すぐ直りました。

 

遠方にかかわらず何回もとことん時計と向き合う誠実さには頭が下がります。

 

 

そのあと、ちょうど直ぐ近くのK宅のハト時計の調子もみてくださるということで

 

寄っていただきました。

 

奥様がドイツで購入したシンプルでかわいいハト時計。

 

早速ムーブをのぞき、的確に調整すると、

 

元気よくハトが出て 時を知らせてくれました。

 

思わず Kご夫婦と、夏休み中で ついてきた孫と拍手。

 

とても感動したシーンでした。

 

実はそのハト時計は、当店で修理をし正常に動くことを確認して

 

大丈夫ということでK宅にお戻ししました。

 

そのままかけたが鳴らないとのことで どうしてかが不明でした。

 

吉田さんによると ちょっとしたことがハトの出具合に影響するんです 

 

ということでした。

 

今までにないパターンだったので勉強になりました。

 

 

 

ご主人様と吉田さんの会話で、なぜ時計修理士をされているのかを

 

聞くことが出来ました。

 

家業が時計店で大正7年から続いていたが現在はない。

 

幼い頃から生活の中で時計を見て育ち、流れとして修理を目指していった。

 

でも機械時計も電池式クオーツムーブに大きく変化して、

 

ホールクロックも昔のように歯車と重錘式(おもり)で動かす機種は少なくなってきている。

 

その数が少ないので修理技術の経験値が上がってこない。

 

これでは修理できる職人さんが育ってこない。

 

特殊な時計は数をこなしていくことが重要だそうです。

 

そのためにもネットワークを作って、より情報交換して育てていくことを考えているそうです。

 

単なる技術者というだけでなく、先々をも考え行動していく強い意志を感じました。

 

当店としても 過去を想い、未来にむかってどう時計に向かいあっていくのかを

 

しっかり見つめていかなくてはと思いました。

 

時計に関しての歴史、構造も造形深く感心しました。

 

 

 

K宅の帰り際に、玄関に数々の種類の松笠がカゴに盛ってあり、

 

孫にどうぞ といただいた時、その松笠はハト時計の振り子の原型なんです 

 

と教えていただきました。

 

ハト時計の修理に伺って偶然にもハトの振り子になった松笠との出会いとなり

 

とても印象的な1日でした。

 

 

余談ですが、ご主人様と吉田さん 名前も漢字もピッタリ同じだったんです。

 

 

トウヒという木の松笠、自然が作り上げた無駄のない美しさにみとれてうっとりしています。