イングランドは日本の出方への対応に徹底していて、ボールを持たせながらも封じ込めることで、カナダ戦同様に日本もうまく嵌められていたでしょうか。
日本のポゼッション位置に応じて、守備ラインを上下させブロックを形成、中へ入るボールに対して球際強く出て跳ね返し、パスカットする場面も目立ちます。
特に宇津木選手、ハードマークを受けて前へ繋げません。イングランドはキープレイヤを把握してしっかり対策して来ました。
前半は日本がサイドへの展開から攻勢に出て、有吉選手の突破からPK獲得に繋がり、他チャンスもありましたが、後半になるとイングランドがさらにハイプレスに出て低く留められ、攻撃の起点がつくれず突破口が見出せなくなって行きます。大儀見選手に入れても次に展開出来ず、攻勢に出ようにも押し上げることが出来ません。
高い位置からボールを奪われ、前が少しでも空けば鋭いシュートを浴び、ゴールをかすめる危ない場面が続きます。
ファウルで倒せば、遠い位置からでもゴール前へハイボールを入れて来て、高さを活かしたパワープレイでゴールを脅かす、フリーキックになる度に最後までヒヤヒヤさせられました。ゴール前へ届くロングスローも脅威でした。
後半20分の連続コーナーから決定的なヘディングシュートはヤバかったです、右へ外れてくれましたね。
後半25分大野→岩渕選手投入。
左サイドで宮間選手から受けた岩渕選手がドリブルで持ち込み、ペナ内左からゴール前の大儀見選手への折り返し、惜しくも合わず。さらに左サイドからドリブルで仕掛け、DFを交わしてシュートへ行くも左へ外れる。
続いて左サイドに出て宮間選手へ戻しクロスは、ゴール前で阪口選手のヘッドは左へ外れる。
岩渕選手が入ったことで、日本へいい流れに傾くかに思われましたが、その後攻め込む迄には至らず、また日本はイングランドの攻勢に自陣で耐える時間帯が多くなっていきます。
川澄選手は持ち上がりアーリークロスを入れると、ゴール前に入って来た大儀見選手の手前で、センターバックのバセット選手がカットしたボールが、ゴール右隅上のクロスバー下を叩き落ちてゴールイン。
思いがけないオウンゴールで勝ち越し、程なくタイムアップとなり、劇的な勝利を遂げて決勝進出となりました!
いやーしかし苦しい試合でした。チャンスが見出せない劣勢が続く中で、よくぞ勝てましたよね。
ですが守勢でも跳ね返し続け、自陣でプレッシャーを受けながらもボールを繋ぐ、なでしこらしい粘り強さの賜物として、オウンゴールという幸運がもたらされたでしょうか。
バセット選手を責められません、カットに入らなかったら大儀見選手に決定的なボールが渡っていたでしょうし。
全ての試合を1点差の僅差でしのぎ、際立った選手もなく得点力を持ち合わせてもいないのに、勝ち切ってしまう強さこそ、なでしこらしいのでしょうかー
これ以上多くは望めませんし望みませんが、最後まで勝者のメンタリティを発揮し続けてもらいたいですね。