岩渕選手の所属するホッフェンハイム(Hoffenheim)は、3月23日の女子ブンデスリーガ第14節にレバークーゼンと対戦し5-3の勝利。
岩渕選手は先発出場し、1ゴール・3アシスト・1ペナルティキック獲得という全ての得点に絡む大活躍をみせ、チームの勝利に大きく貢献。87分に途中交代しました。
(画面クリックで第14節ゴールハイライトへ。岩渕選手の活躍は動画の-09:53あたりからです。)
2014年3月23日
【女子ブンデスリーガ 第14節】
TSG1899 Hoffenheim 5-3 Bayer 04 Leverkusen
得点:
03分 1-0 S. Stoller (Hoffenheim)
24分 1-1 N. Claassen (Leverkusen)
35分 1-2 L. Schwab (Leverkusen)
39分 2-2 C. Shneider (Hoffenheim)=PK
49分 2-3 N. Claassen (Leverkusen)
57分 3-3 T. Cameron (Hoffenheim)
80分 4-3 S. Stoller (Hoffenheim)
86分 5-3 M. Iwabuchi (Hoffenheim)
会場/ Ensinger-Stadion
観客数/ 650人
(ホッフェンハイムの得点経過:1点目)
岩渕選手が、左サイドからDFの間を突いたスルーパスを通し、Stoller選手が抜け出て決める。
(2点目)
岩渕選手が、ゴール前へのハイボールにGKが出て受け損なったこぼれを、すかさず拾ってゴールへ向かう後ろから、追いすがるGKに倒されてPK獲得。
Schneider選手がPKを決める。
(3点目)
岩渕選手が、縦パスを受けてペナルティ前右へ持ち上がり、ゴール前へグラウンダーのクロス→フリーで受けCameron選手がゴールを決める。
(4点目)
前線でくさびで受けて、岩渕選手とクロスして前に出るStollerに、振り向きざまに絶好のスルーパスを通すと、フリーで抜け出たStoller選手がゴールを決める。
(5点目)
相手のバックパスを、センターサークル付近でカットすると、DFを交わしドリブルで中央を一気に持ち上がり、1対1のGKの上部を抜ける軽快なシュートを、ゴールに蹴り入れる。
~いやいや、ゴールハイライトを見る限りですが、岩渕選手の活躍ぶりには圧巻でした!ベレーザ時代は、FWととしてスルーパスを受け、ゴール前へ抜け出しゴールを狙うプレーぶりが持ち味でしたが、今ドイツでは逆に、受け手としてより出し手として、味方に最良のパスを供給している場面が目立つようなった印象を受けます。
[岩渕選手の2013ー14シーズン: 出場状況] ※Soccerway(Women Soccer) 参照
所属チーム | 出場時間 | 試合 | スタメン | 交代 | 途中出場 | ゴール | アシスト | |
ホッフェンハイム | リーグ戦 | 1167分 | 13 | 13 | 1 | 0 | 3 | 9 |
14節を消化し、13試合にほぼフル出場を続けていて(1試合欠場)、ゴール数は少ないながらも、アシストは9もあるのです。
このアシスト数は、ホッフェンハイムのゴールシーンを各節ごとのハイライト動画を確認しまして、ゴールを決めた選手に、岩渕選手がラストパスを送ったというアシストの定義に基づいて、独自にカウントした数です。
ホッフェンハイムの今季の総得点は29ですので、自らの3得点に9のアシスト(今節のPK獲得も+1に相当ですが)、チームの得点の半数とまではいきませんが、相当な部分で貢献しているのが解ります。
で、このアシストも含めたゴールに貢献した数値というのは、安藤選手と明日菜選手が所属するフランクフルトのホームページに常設されていまして、こんな感じですー
punkteという項目の数が多い順にランキングが設けられていまして、そのpunkteというのは、得点・点数という意味でして、4項目目のTore(ゴール数)と5項目目のAssists(アシスト数)を足した数であり、つまり実際にゴールしただけではないゴールに結び付いた数も含めた、総合ランキングになっているのです。
こういった評価を明確に数値にしてるのは、日本で男女に限らずどのカテゴリでも見たことないですねー
安藤さん、ご覧のとおり、チーム内で3位なんです。貢献度高いんです。チームの総得点56のうち、23%は安藤さんに拠るものです。得点だけではない貢献度って、まず報道されることは無いのですが、ですがたとえ長らく得点を決めてなくても、岩渕選手もしかり、ずっとチームで重用され続けている理由というのは、
解ることがあります。
海外の男子日本人選手なら、アシスト以前のゴールへの起点となったパスを出したことで、記事になったりするのですが・・できれば、私レベルでも容易に探索できることですので、海外女子選手もゴールを決めたに留まらない評価のあり方を、今後うかがいたいものです。
安藤選手に岩渕選手も、ドイツに渡りプレースタイルが変わったのはたしかです。
FWとして意気揚々と新天地に臨み、しかしゴールを追い求めるだけでは、チーム内でそぐわない状況に直面し、自らを変えていかなくてはならない部分もある様子にもうかがえます。
岩渕選手はもっと自身のゴールを決めたいし、本意ではないかもしれませんが、でもやっぱり器用です。ベレーザで培った巧さが、ドイツでは光ります。
ユーティリティで人を活かす献身的なパフォーマンスは、ドイツでは日本男子でもそうですが重宝されるはずですね。
2020年、東京五輪で女子サッカーの中心にいるのは、岩渕選手のはずです。
いま21歳の岩渕選手が、どれだけ海外で揉まれプレーの幅を広げて将来へ活かせるのか、今がまさに奮闘のしどころであり、さらに魅せる存在になってほしいところですー