アルガルヴェカップ初戦、アメリカと引き分け。 | うらじょ

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アルガルヴェカップ2014 

3月5日21:45キックオフ @パルシャル

[グループB第1戦]


日本女子代表 1-1 アメリカ女子代表


得点:

58分ルルー、82分宮間




【日本女子代表スタメン】

GK: 山根恵里奈

DF: 近賀ゆかり、岩清水梓、熊谷紗希、有吉佐織

MF: 澤穂希、阪口夢穂、川澄奈穂美、宮間あや

FW: 大儀見優季、大野忍



38分有吉佐織→上尾野辺めぐみ

59分川澄奈穂美→岩渕真奈

68分阪口夢穂→木龍七瀬(宮間がボランチへ、木龍が左MF)

77分澤穂希→宇津木瑠美、大儀見優季→高瀬愛実


※日本のスタメンは、山根・有吉以外は、2012年8月9日ロンドンオリンピック決勝と変わらず。(宮間と川澄の左右が今回入れ替わりました。)

【アメリカ女子代表スタメン】

GK: ソロ

DF: クリーガー、ザワーブラン、エンゲン、コックス

MF: オライリー、ブライアン、ロイド、ラピーノ

FW: ルルー、プレス





74分ブライアン→K・メウィス、オライリー→ヒース


※アメリカのスタメンは、ロンドンオリンピック決勝時と同じなのは、ラピーノ、ロイド、ソロの3選手のみ。

※アルガルヴェカップ前の最新の試合・ロシア戦と比較すると、中盤の並びは同じ、後列をファンホレベク→ザワーブラン、オハラ→コックスに。FWはワンバック、ロドリゲスからルルー、プレスという新進気鋭のコンビに入れ替えて来ました。

※セントラルMFでスタメンとなったブモーガン・ブライアンは21歳。今回アルガルヴェカップに初召集されたサラ・キリオン、サマンサ・メウィスも同い年で、3選手共に2012年U20W杯JAPANの優勝メンバーです。

 

アメリカのスタメンの平均年齢は27.2歳、日本のスタメンの平均は27.5歳(昨日の出場全選手では平均26.3歳)ですから、アメリカが大きく若返っているとは言えない感じはありますが。



(WNT vs. Japan: Aya Miyama Goal - March 5, 2014) ※画像クリックで関連動画へ


さて試合は、やはりアメリカがポゼッション優位に推し進める主導権を得て、日本が凌いで行く中でチャンスを見出していくといった展開で経過して行ったでしょうか。

開始早々左サイドを破られ、シュートのこぼれをさらに押し込まれたのがオフサイドとなり幸いでした。まだ落ち着かない状況でのいきなりの失点は、アメリカの勢いをさらに助長しかねませんでした。2012年6月に1-4で敗れたときには、開始10分で2失点を喫し、その後ほとんどアメリカペースで終始し完敗したのを思い出します。


鮫島選手不在の左サイドバックは不安要素であり、開始早々のピンチ後もたびたびフリーに持ち運ばれ、ゴール前で危い場面が続きました。内に絞って対応するぶんサイドが空いてしまい、アメリカの持ち味である大きな展開に付いていけない面があったでしょうか。

日本は前半終盤に有吉選手から上尾野辺選手へと左サイドを代えて対策したことにより、その後試合を通して功を奏した様子でした。

上尾野辺選手のマンツーマンでの守備が、間合いの詰め方や身体の寄せ方が巧みで、ピンチを最小限に食い留めていたと見受けられました。

ただそれでもプレス、ルルーの強力FWの突破力は凄まじく、交わされて危ない場面はありましたが。終始衰えることなくゴール前で威力を発揮していました。特にルルー選手の身体の強さは半端ないですね!


右からの攻め上がりでチャンスを形成していたオライリー選手が、前半35分頃から左右MFが入れ替わったことで今度は左サイドで目立つようになり、サイドをドリブル突破に近賀選手が必死に食い下がるもクロスを入れられるなど、前半最後までゴール前での緊迫した攻防が続きました。

オライリー選手がひじょうに精力的で、ゴールチャンスへのスルーパスや、上がって来てゴール前に入る場面もあり得点機を形成し、日本は失点寸前のところで凌いでいたでしょうか。プレス選手との息のあった素早い連携から、一気にゴールまで陥れようとしていました。

ただ、同じくサイドMFのラピーノ選手がいまいち精彩を欠いていたのが、日本にとっては幸いだったかもしれません。球際でいつもの突破力や精度良いクロスなどうかがえませんでした。


日本は序盤からアメリカのポゼッションに、いかにプレスを仕掛けて奪取していくかというところ、ボランチの澤選手が、同列の阪口選手より常に高い位置に出て、前線の選手と共にボールホルダーを追って行く姿が目に付きました。

アメリカのパス回しに振り回されながらも、距離を詰め複数で絞りプレッシャーを与え続けていたことは、1stディフェンスとして容易に前に出させず、有効に機能していた様子でした。(前半終盤から阪口選手が前に出るようになったり)

日本は、コンパクトな中での応戦では決して引けを取りませんが、ただやはり大きなサイドへの展開や攻守の切り替え時に、アメリカの速さに対応が遅れてしまうのは否めません。

高い位置でボールを失うと、アメリカの圧力はなかなか断ち切れず、特に後半の先制されてからは、しばらく自陣ゴール前で耐える状況続きました。体力的にきつくなってくる頃に、フィジカルの強さを前面に押し出して攻めこまれ、跳ね返し続けても繋げずに2ndボールは奪られ、再度攻勢に晒される。今回の対戦で日本がもっとも苦しい時間帯だったでしょうか。

ですがなでしこは、しっかり守らせるなら、とても粘り強い対応で相手の決定機を削ぎ、ゴールを死守することにかけては相変らずの健在ぶりを発揮していました。

アメリカの決定的なシュート場面が、枠をかすめたり、GK正面に飛びコントロールされないのには、身体の寄せ方の巧さや防御に入れた足の一伸びといった、瀬戸際まで食い付くDFによるところは確かでしょう。やはり数々の修羅場を乗り越えてきた選手たちは違います。





中盤に宮間選手が入り、さらに宇津木、高瀬選手が交代で入ることで全体が押し上がり球際の強さが発揮され始めたことが、宮間選手のFKを導き出す相手のハンドを誘発しました。

宮間選手、値千金の同点弾でした。無回転の軌道、じつは先月の千葉で行なわれたなでしこ交流合宿でも、見た覚えがあります。(たぶん^^;)

遠目から双眼鏡でしたが、浦和DFの壁をふわっと越えてから、すーっと落ちて行く回転のない軌道が、ゴールポスト根元に直撃しました。GK池田選手がほとんど反応できない、今までのキックとは性質が違うように見受けられました。不思議な感じがしたのです。

あのホープソロをしても、そんなにコースは突いていなくとも弾き出せないのには、目測で捉えきれない相当な変化があったのでしょうね。

宮間選手のキックが再び日本の劣勢を救いました。日本の最強兵器がまた、新たな進化を遂げているようですー


あとはやはり攻撃のパターンが、今回は久しぶりの代表戦でいきなりアメリカが相手ということもあって難しかったでしょうが、トップで大儀見選手が収められるぶん、後列やサイドが近接して人数をかけた攻勢から、枠を捉えるシュートまで持って行きたいですね。

大儀見・大野選手コンビならではの、裏を突く飛び出しのうまさはさすがであり、惜しくもオフサイドに潰えましたが、これは継続しつつもバリエーションある攻撃から得点を導きたいところです。

それとアメリカを見習って縦に速い展開を、解説の川上さんの言うとおりでしょうかね^^;


宮間選手のサイドチェンジからはチャンスになりましたし、アディショナルタイムの宇津木選手のゴール前への飛び込んで行くプレーには、ポジションを越えることで可能性を感じました。

相手の意表を突く、なでしこが得意とするクレバーな立ち回り方が、次戦以降に復活することに期待したいです。


で、次戦こそ、安藤選手の出場と活躍を待ち望んでいますよ~アメリカ戦で苦しい状況時こそ真価を発揮できたはずなのに、起用されなかったぶんもデンマーク戦で見せてもらいましょう!