・U-20女子ワールドカップが終わり、FIFA公式サイトには、各チームの戦績結果について詳細データが載っています。→FIFA Women's World Cup 2012 Japan STATISTICS
そのデータを元に、自分なりにアレンジを加えてまとめてみました。
◆各チームの攻撃力について。
赤表記は各データの最高値、ピンクの表記は最低値です。
・やはりドイツの攻撃力、シュート数が際立っています。
ですが、あくまでデータを見る限りにおいては、ドイツに次ぐ、あるいは匹敵するのは日本の攻撃力であることがうかがえます。
・ドイツの総シュート数は103、ナイジェリアが87で、日本の86は3番目。
・枠内シュート数は、ドイツの47に次いで日本が40で2番目。
・枠内シュート率とポゼッション率はほぼ同値で、平均得点は2.5点で同じ。
ともに、決勝戦、3位決定戦までの全6試合を戦っての結果ですから、近似値といえるのではないでしょうか。
・加えて日本のシュート決定率は、シュート5.7本につき1得点で、北朝鮮の3.5本で1点に次いで2番目。ドイツの6.9本で1得点より上回っています。
・北朝鮮がアルゼンチン戦で9得点とはいえ、枠内シュート率は群を抜いています。
・興味深いのは大会優勝したアメリカで、決勝トーナメント進出8チームのうち、平均得点と平均シュート数が7番目。
得点、失点、シュート数など、どれも抜きん出ているものが無くても優勝を果たしました。(枠内シュート率が2番目にいいぐらいか・・)
もっとも注目するのは、アメリカのポゼッション率で、1試合平均が50%ほどで、対戦相手と互角であるということ。
さらに補足しますと、決勝トーナメントに入ってからのアメリカは、ポゼッション率が、準々決勝48%、準決勝42%、決勝48%と、決勝までの3試合とも50%以下となっていました。ちょっと意外でした。
比較して言えば、ブラジルが、大会1のポゼッション率を誇り、平均シュート数もドイツに次いで2番目でも予選敗退となり、カナダもポゼッション率が高く平均得点が2番目なのに、こちらも予選敗退となりました。
ドイツが唯一喫した失点が、決勝戦での1失点。
決勝戦、ドイツは17本、アメリカは9本のシュート。ポゼッションでも上回ったドイツが、それでも準優勝に終わったことには、アメリカの試合巧者ぶりが、データでは決してうかがえ知れない部分で感じられます。
◆その他、様々なスタッツをまとめておきました。
フリーキックというのは、直接ゴールを狙える機会を得た時の回数です。
イタリアの(2)は、イエロー2枚で退場した回数です。
・ナイジェリアのファウル数とカードの数が目立ちますね。3位決定戦を思い出せば納得です。
・対戦相手から激しい当たりを受けていた日本は、ダントツのファウル数を被っていました。1試合平均14.2回です。
ですが1試合平均でいえば、韓国が1試合16回、メキシコが1試合15.3回となり、日本は3番目です。
いずれも、上背がなく個人技を有するチームの、ファウル数が多かったといえるでしょうか。(韓国、メキシコはもらい方がうまいともいえるでしょうけど)
・ここで際立ったデータを見せているのが、アメリカのファウルをおかした数の少なさです。
決勝まで戦った6試合で1試合平均5.5回はすごいことだと思います。
次点の日本が、1試合平均7回でも優れているのに、さらに少なく優勝まで果たしているとは。
1試合平均16.3回でワーストのナイジェリアは、ちょっと見習いましょうー
【今大会、ファウル数の少なかった試合ベスト3】
①8月20日・ ガーナvsアメリカ ーファウル数8 / ガーナ4 : アメリカ4 ※ガーナ/ イエロー1枚
②9月4日準決勝・ナイジェリアvsアメリカ ーファウル数10 / ナイジェリア6 : アメリカ4
③9月8日決勝・アメリカvsドイツ ーファウル数11 / アメリカ5 : ドイツ6
8月23日・ノルウェーvsカナダ ーファウル数11 / ノルウェー6 : カナダ5 ※ノルウェー/ イエロー1枚
※ノルウェーvsカナダ戦以外は、すべてアメリカの試合です。
他の試合ではファウルが10以上になるナイジェリアでさえ、6回と少ない。
つまりそれだけ、アメリカの戦い方がクリーンで質が高かったといえるでしょうか。(あくまでデータから見た上でですが)
王者としてふさわしい戦跡がうかがえたことは、嬉しい発見となりましたー
