浦和レッズレディースvsINAC神戸 観戦記 | うらじょ

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◆2011年10月30日(日) 13:00キックオフ

NACK5スタジアム大宮


浦和レッズレディース 1-1 INAC神戸レオネッサ

得点者:19分岩倉、89分澤(INAC)


入場者数/ 8217人



<浦和レッズレディース・メンバー>

GK/池田
DF/土橋、矢野、堂園、齋藤
MF/岩倉(67分柴田)、藤田、安田、岸川、柳田
FW/後藤(73分吉良)
SUB/山郷、西田、竹山



------------後藤------------


安田--------藤田---------岩倉


--------柳田-----岸川--------


堂園----矢野-----土橋-----齋藤


------------池田-------------




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<INAC神戸レオネッサ・メンバー>

GK/ 1海堀あゆみ
DF/ 2 甲斐潤子、4 田中明日菜、5 近賀ゆかり、6 那須麻衣子
MF/ 7 チ ソヨン、8 澤穂希、10 大野忍
FW/ 9 川澄奈穂美 (Cap.) 、11 髙瀬愛実(→ HT 13南山千明)、14 米津美和(→73分 19中島依美)
SUB/GK18 久野吹雪、DF20 高良亮子、MF16 クォンウンソム



------------高瀬------------


--川澄----------------米津---


-------チソヨン----大野-------


-------------澤-------------


那須----田中-----甲斐-----近賀


------------海堀-------------



※後半開始時、大野が高瀬のいたトップへ、大野の位置に南山が入る。




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目の当たりにしたINAC神戸の攻撃力は凄まじく、キックオフから全開にどんどん圧力をかけ浦和陣内深くに侵入して来ました。

中盤からサイド→トップ→行き詰ると、また戻して、大きくサイドに振り直して、起点を次から次へと変えて波状攻撃を仕掛ける分厚さ、

サイドから強襲する米津、川澄選手、トップで高瀬選手が体を張り粘る、2列目からはチソヨン、大野選手が突っ込んで来る。

各選手が浦和DFと対峙する局面においておくびることなく、たとえ複数に囲まれようとも強引な突破を幾度も仕掛けてくる、Wチームで対応しても、ボールをなかなか奪えない。

浦和ポゼッション時には、GK~DF間に絶えずプレスを掛けてきて、容易に前へボールを出せない場面が続きました。

W杯、オリンピック予選を経て名声を得てきた中心選手たちが、ピッチ上で自信を漲らせ存分に能力を発揮している、5月の開幕戦時から比して、さらにチームとしての完成度の高さが伺えました。



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浦和はしかし、INACの序盤の猛攻を凌げたのは大きなポイントになったと思います。

少しずつ前へとボールを運べるようになると、前半19分に後藤選手がインタセプトから岩倉選手に繋ぎ、岩倉選手はDFをかわし向き直ってじゅうぶんな体勢からのシュート。

糸を引くような美しいライナー性のシュートが、ゴール右隅に収まり先制!

蜂の巣をつついたような騒ぎの浦和側応援席。

INAC神戸から先制、盛り上がり応援のボルテージがいっそう高まります。

しかしここから試合終了まで、耐える時間が多い、長い長い戦いの始まりでもありました。


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守勢の浦和と、執拗に攻め立てるINAC。

球際で激しくやり合うのは、この対戦では以前からのことですが、時間の経過とともにいっそう熱を帯びて騒然となる場面が多くなっていきます。

切り込まれシュートを撃たれる場面に、浦和の選手たちは折り重なりあうように身を呈して凌いでいきます。

不意にサイドから侵入されても、最後の際の際でフィニッシュを防ぐ。

ほころびを突かれないように細心の注意を払い確認しあう選手たち、間断ない集中力を発揮していました。



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ちょうど1年前の10月、神戸ホムスタで行われた対戦では、INACはその攻撃力をかなぐり捨てて守備ブロックを

固め浦和を完封、終盤の1チャンスからの1点を死守し勝ち切りました。

リーグ優勝の可能性のなかったINACが、そこまで浦和に挑んで勝ちにきていたと覚えがあります。


今回はまさに逆の立場の浦和、

バリエーション豊富な攻撃力を展開し相手を凌駕する、リーグ優勝争いをしていた浦和レッズレディースの姿とは今は違うかもしれません。

でも、どんなに攻め込まれようとも絶対に守り切るという凄味、INACに勝ちたいという思いは、ビンビンに伝わってきました。


後半に入り時間がさらに経過し、気づいたらゴール裏の上段部の通路に応援するサポの数が膨れ上がっていて、ピッチ上の1プレイ1プレイに熱く応援する声が一段と大きくなっていきました。

強豪相手に理想のサッカーは出来なくとも、勝利を渇望する思いは強いのです。



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前日の鹿島にしろINACでも、劣勢に耐え忍んで頑張る姿に、譲れない浦和のプライドの気高さが宿っていたとみます。

ピッチ上でのがんばりに、いざという時の応援の力は、やはり凄いなと再認識させられました。




しかし、あと少しのところで、澤選手に遮られました。



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浦和は後半、逆襲から2度3度と決定機がありました。

追加点を奪えなかったぶん、今のINACには勝ち切れなかったということになるでしょうか。

決定力は、全日本女子選手権に向けての課題としたいところです。






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浦和は、この大一番に、奇手を打ってきました。

村松監督が、土橋優貴選手を今まで公式戦では覚えの無いのセンターバック(CB)で起用しました。

2007年に浦和に移籍以来リーグ戦92試合、3バックの右としては起用されていましたが不動の右サイドバックの選手です。CBとしては初めて見ることになりました。


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リーグ戦162試合出場のベテランは、コンビを組んだDF矢野選手と上下してうまくバランスを取りながらの対応、積極的に前に出てのディフェンスや、右サイドのバックアップでは川澄選手を封じていました。

ゴール前、裏から侵入してくる選手をいち早く捕まえて撃たせず、至近からのシュートブロックもあり、CBとしても能力の高い選手であることを思い知りました、驚きでした。



元神戸TASAKI出身のベテランが、新しい神戸の盟主相手に大健闘しました。

ちょうど1年前、Jビレッジのマリーゼ戦での試合途中に故障、立てなくなり、担架に乗せられたまま退場しシーズンを終えた土橋選手。

無理を押して試合に出続けて来たファイターが、もう残りの現役生活は長くないかもしれません。

大げさかもしれませんが、同じディフェンスをもう一度やれといわれても出来ない位、一世一代の女子力を発揮したのではないでしょうか。



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何度も転がりながら執念を見せる土橋選手に、

すいません、

試合途中から、もうじゅうぶんに思えてしまい、感涙していました。

だから勝たせてあげたかった、喜ぶ姿が見たかった。

それだけはとても悔しいです。



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現なでしこ代表のような知名度はないかもしれません。

でも、浦和のレディースを愛して来た方々の中には、いつまでも記憶に残る名選手であり続けることでしょう。

最強軍団とうたわれるINAC相手にも、浦和のプライドを死守した功績は讃えられ、語り継がれてもらいたいです。