スピードセルと、宮間あや | うらじょ

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今日から始まる、2011ドイツ女子ワールドカップ、公式試合球として使用されるのはアディダスのスピードセル(SPEEDCELL)です。

このボールは、昨年12月に行われた”FIFAクラブワールドカップ2010”の試合球として使われ始め、今シーズンからJリーグ、なでしこリーグでも公式球として使用されています。(すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが)


◆FIFAオフィシャル;SPEEDCELL reflects dynamism of women’s game

(ドイツ女子W杯、スピードセルを紹介する記事です)



スピードセルについてですが、その特徴についての説明↓

「ワールドカップ南アフリカ大会を盛り上げた“JABULANI(ジャブラニ)”のテクノロジーを踏襲し、さらに改良。

ダイナミックでスピード感溢れる現代フットボールの魅力を表現すべく、“タービン”を模したデザインと、鮮やかな水色“フレッシュスプラッシュ”カラーを採用。

わずか8枚の立体パネルを熱接合する“サーマルボンディング”技術により、限りなく真球に近い究極の球体を実現。

これによりスイートスポットが拡大し、コントロール性も向上。

グリップ性を向上させる表面加工“マイクロテクスチャー”、安定した飛行軌道をもたらす“エアログルーブ”など、プレーヤーのパフォーマンスをサポートし、現代フットボールの魅力を引き出すテクノロジーが搭載されています。」


~サーマルボンディング?エアログルーブ?(゚д゚;)

よく判りませんけど、

パワーのある選手にはさらにそのキック力を引き出すボール、また、強いグラウンダーのボールが加速して伸びていく感じとか、クラブW杯やJリーグを見ていて少しは影響を及ぼしているのかなと、私的には抱いている印象です。


原口元気のグラウンダーのシュートが決まるようになりましたし、清水のボスナーの超絶FKや柏のジョルジワグネルのシュート(いずれも浦和がやられちゃいましたが・・しょぼん)、またクラブW杯のインテルのゴールシーンなどに、スピードセルの特徴としているダイナミックなスピード感が表れていると思うのです。


◆浦和ー清水戦ハイライト:清水の1点目、3点目がボスナーのFK

◆柏ー浦和戦ハイライト:柏の2点目がジョルジワグネルのミドルシュート

◆クラブW杯決勝:インテル3-0マゼンベ



なでしこジャパンにとっては、ドイツの良芝で得意とする速いパス回しが活かせるボールになるのではないでしょうかー




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さて、ボールのこだわりといえば、現代表の中心選手であるMF宮間あや選手です。

2008年女子アジア杯の時に、河崎三行さんというライターが書かれた記事「サッカー小僧、宮間あやの精妙フリーキック」が当時とても興味深く、それ以来宮間選手が好きになりました。


「サッカー小僧、宮間あやの精妙フリーキック」全文

面白いと思うので引用させていただきますー


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


宮間あやを見ていると、いつも「サッカー小僧」という言葉が浮かぶ。

小柄で勝気で、いつもボールとじゃれあっている。にこにこ笑っていることが多いが、試合に負けるといかにもしょんぼりした顔になる。それがあまりに悔しい時は、ぽろぽろ泣く。

なにより、サッカーが好きで好きでたまらないという気持ちが伝わってくる。サッカーで人を驚かせたいといういたずら心に溢れている。


サッカー小僧というのは、サッカーおたくの別名でもある。サッカーを研究するのが大好きで、それがまた細かい。

女子アジア杯期間中、宮間に今大会使用球について聞いたことがある。フリーキックのキッカーは、ボールを蹴った時の感触や飛び方の特徴を気にする。それによってキックの弾道が変わってくるからだ。

今大会の使用球はナイキ製。五輪や女子W杯、あるいは日本で行われる国際試合で使用されている、蹴り方によって弾道が大きく変化するアディダス製のボールではない。彼女から返ってきた答えはこうだった。

「プーマやディアドラのボールに近い感じですね。重くて、ちょっと蹴りづらい。フリーキックも変化しにくいです。でも芯を叩けば動きは出ますよ」

日本ではめったに使われない会社のボールが例えに出てくるあたりが、彼女のおたくなところである。


オーストラリア戦79分、

日本はゴール正面やや左の位置でフリーキックを得る。キッカーはもちろん宮間だ。

自分でセット地点にボールを置き直し、敵の壁を見る。近すぎる。ボールから10ヤード離れていない。フリーキッカーは経験を通して、10ヤードがどれほどの距離なのかを知っている。少しでも近ければ感覚ですぐわかる。

すかさずレフェリーにクレームをつける。しかしレフェリーは、距離に問題はないと宮間の要求をはねつける。どう見ても近すぎるのに。でもま、いいか。蹴っちゃえ。あそこを狙えばいいんだし。


ゆっくりと、短い助走を始める。軸足を踏み込み、右足を振り抜く。ゴールマウスへ向けボールはまっすぐ飛んでいく。オーストラリアのキーパーは予測の逆を突かれたのか、反応できない。一歩も動けず、ただその弾道を目で追っているだけだ。次の瞬間、オーストラリアゴール右上隅のネットが揺れた。

試合後、宮間は自分のフリーキックを振り返って

「あれは真っ直ぐの球じゃないです。ちょっと内側に巻き(=カーブをかけ)ました。狙った通りでしたね」

と涼しい顔で言う。女子W杯イングランド戦(FKで2得点)ほどの劇的な曲がり方じゃなかったけど、ナイキのボールではあのぐらいが精一杯?

「女子の筋力ではあれ以上無理でしょう。だから縦の変化より横の変化を狙いました」


「オリンピック使用球だったら、もっとすごい弾道を蹴れる」

そんな自信が込められているようにも感じられた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


これが中村俊輔や遠藤なら、そのこだわり方がわかりますが、女子の選手でボールの球質やら詳しいコメントをするのは見聞したことがありませんでした。(その後も聞いたことがないです)

ボールの性格を見きわめアジャストさせていく能力に秀でた宮間選手だから、いつでも安定したパスを供給し、プレスキックから精度の良いボールで得点機会を導き出せるのでしょうか。


6月11日、岡山湯郷対新潟の試合・前半3~4分、宮間選手はペナルティアーク内中央から見事なフリーキックをゴール左隅に決めました。

スピードセルへの対応もしっかり出来ている様子です。



◆なでしこリーグ動画; 最新動画から、岡山湯郷Belleーアルビレックス新潟レディース(前半)

◆youtube

Aya Miyama -SOCCER KOZOU-

Aya Miyama -SOCCER KOZOU-part2

Aya Miyama -SOCCER KOZOU-part3


屈強な相手にゴール前が開かれない時、宮間あやという切り札があるのは、なでしこの強みです。

2007年W杯イングランド戦のFK、北京五輪ニュージーランド戦の澤のゴール、宮間に救われてきました。


明日からのドイツW杯、アメリカのトッププロチームでも賞賛された巧みなキックの精度を、再び世界に披露するときが来ました。

楽しみです。



<サッカー小僧・宮間あや 18歳のインタビュー>

「私、小学校のとき作文に書いたんです。サッカーという概念、サッカーは人生に似てるって。上がったり下がったり、勝てたり勝てなかったり・・・。例えばパスを出すとして、出す角度や場所は山のようにある。

だけどそれが正しいかどうかは出してみないとわからない。

でもたとえ相手にカットされても次のサッカーがはじまる。そうやって続いていく。ひとつの課題を克服するとまた

新しい課題がある。(私のサッカーは)そうやってずっと続いていくものだと思います」。


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