私が大尊敬し、私淑させていただいている
田坂広志さんのメールマガジンからシェアさせていただきます。
田坂広志さん
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田坂広志 「風の便り」 特選 第28便
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上手な「転び方」
学生時代、スキーを習っていたときのことです。
若手のスキーコーチの指導を受けながら、
急な斜面を滑る練習をしていました。
うまく滑れずに転び続けていた私に、
その若手コーチは、実に根気よく、
懇切丁寧にアドバイスをくれます。
しかし、何度トライしても、
なかなかうまく滑れません。
そのため、
自分にはスキーは向いていないのかと
自信を失いそうになり、
さすがの若手コーチも、
すこし諦め気味になってきたとき、
それを近くで見ていた年配のコーチが
やってきて言いました。
大丈夫だ。
君は「転び方」が上手い。
きっと上達するよ。
この言葉に励まされて練習を続け、
急な斜面もうまく滑れるようになりました。
そのときのことを振り返って、
いま、思います。
自分が励まされたのは、
「転び方が上手い」と褒められたからではない。
褒めるところのない状態において、
「転び方」を褒めてまで、
上達を信じてくれる人がいた。
そのことに励まされたのです。
その人の可能性を信じること。
それは、我々が大切な人に捧げ得る
「最高の贈り物」なのかもしれません。
2002年5月16日
田坂広志
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この「風の便り 特選便」では、
これまでにお送りした「風の便り」の中から、
この震災復興期において、いま、あらためて
読者の方々にお届けしたいメッセージを、
お送りさせて頂きます。
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このメッセージメール「風の便り」は、
田坂広志がご縁をいただいた方々、
「未来からの風フォーラム」のメンバーの方々、
「社会起業家フォーラム」のメンバーの方々に
お送りしています。
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方々へも、
遠慮なく、送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。