西の なおみ トランジション日記。 -4ページ目

西の なおみ トランジション日記。

府中市議会議員 西の なおみ のつれづれ日記。
持続可能な地域社会への移行。
食、経済、エネルギー、職を地元・府中で循環させて地域力を高めよう!

デンマークでは投票率はおおよそ85%と言われています。

一方で日本では2024年10月に行われた衆議院選挙の投票率は53.85%。戦後3番目の低さでした。人々の政治への興味がどんどん失われている、と危機感を感じます。

デンマークに行ったら聞いてみたかったのが、なぜそんなに投票率が高いのか、ということでした。

 

デンマークでは4年に一度国政選挙が行われるということで、最近では2年間に行われて投票率はなんと84.2%。なぜそんなに投票率が高いのか。

デンマークに限らず、北欧は選挙への関心が高いのですが、その背景にはどういったことがあるのでしょうか。

 

 

デンマークの民主主義Demokrati

デンマークのDemokurati「デモクラチ」(民主主義)は生活の中に根付いていると言います。

人々が暮らす中でルールを作る時、必ず意見の不一致が起こります。人は多様で置かれた状況も違う。関心ごとも好き嫌いも違う。そんな中で起こる対立を、対話を通じて意思決定することがあたりまえになっているのです。だから、集団の中でも自分の意思を口に出すことが当たり前で、周りを察して目配せで物事が決まることを良しとする日本とは、まったく文化が違うと感じました。 

ヨーロッパでは子どもの権利についての考えが定着していて、どんなに幼い子どもにも「あなたはどうしたい?」と聞くことにしているといいます。日本だと「良い子はこう行動しますよ」と先に正解を示して、それに合わせて行動することを子どもたちに求めているような気がします。 保育園、幼稚園の頃から「あなたはどうしたい?」と選択を自ら選んできた子どもたちは、集団の中でもきちんと発言できる大人になります。こういったことが、「デモクラチ」が生活に根付くことにつながっていくわけです。 

 

交差点で突然!街宣が始まる

帰宅時間に自転車専用道路の交差点に突然、候補者がビール箱を持って登場。

2つの政党が、それぞれの政策を訴え始めます。自転車を止められた人も、聞き入っている様子。

 写真はジャーナリストのAsaki Abumiさんの記事から。

候補者が選挙カーから手を振るよりも、身近に政策を論じ合うのをみられるというのは、市民も一緒に考えることができるチャンスになりますね。 

もう一つ、デンマークの政治家はとても若いということ。数年前の地方選挙でホルベック市の市長となったのは25歳の女性ということ。政治が身近に感じられる要因もここにあります。

 

 

どこでも選挙ポスタ ー

そして、支援者の活動も自由だ。

鉄塔によじ登ったり、勝手に電柱に付けたり、並木道でいきなり掲示したり、車を停めて活動したり。

   

これらの写真は、デンマークのリベラル系の政党、ラディケーリ党(Det Radikale Venstre)のインスタグラムから。

ポスターの掲示は自由なため、選挙が始まってからの3週間は町中がポスターだらけになります。

北欧のノルウェーやフィンランドなどでは「選挙小屋」のテントが街中に登場し、賑わうと聞いていますが、デンマークはちょっと違うらしい。

日本では「選挙に行きましょう」という政府広告もありますが、デンマークでは呼びかけなくてもみんな選挙に行くのが普通なのだそう。

幸福度が高い国に共通しているのは、「質の高い民主主義」と言われますが、北欧、デンマークには教育など育ちの中から民主主義が鍛えられていることが要因なのかなあと思います。

まずは政治に興味を持ってもらい、当然のように選挙に参加する、そういう空気を作って行けたらいいですね。