西の なお美 トランジション日記。

西の なお美 トランジション日記。

府中市議会議員 西の なお美 のつれづれ日記。
持続可能な地域社会への移行。
食、経済、エネルギー、職を地元・府中で循環させて地域力を高めよう!

「強度行動障害」というのは、医学的な診断名ではありません。直接的に周囲の人に影響を及ぼす行動があり、障害特性と環境が合わない時には行動障害が強くなる傾向があるなど、家庭においても対応が困難な場合があります。近年では、障害を持つ当事者と親が高齢化し、在宅でのケアが大変で施設等への入所を希望しても空きがなく、将来が不安という声も多く聞かれます。

「強度行動障害」という言葉が使われ始めてから30年以上が経ち、研究も進み、行動障害の状態を予防する配慮や適切な支援の方法が少しずつわかってきました。しかし「強度行動障害」という言葉から大変なイメージを持たれてしまい、希望する福祉サービスを使うことができなかったり、現場では懸命な支援をしているにもかかわらずうまくいかないことで不適切な環境になってしまったり、さらには虐待の対象になってしまう場合もあり、大変深刻な問題と受け止めています。

障害を持つ方や家族にとって、どのような支援が必要なのかを確認し、施策を充実させるために質問しました。

 

 

強度行動障害のある方の人数や状況は?

障害福祉サービス等報酬で重度障害者支援加算がついている方で数えると、171名。

利用しているサービスは、施設入所92人、グループホーム4人、

短期入所24人、生活介護57人。

 

当事者や家族からの意見はどのようなものがあるか

病院への通院などでは両親だけでは対応できないことがあるため、市職員が対応することもある。

家族自身が日頃から心労が続き、治療かが必要なほど、健康状態が悪化することがあり、保護者が年齢を重ねていく中で後の生活を心配するなどの声がある。

 

府中市で障害者への虐待の事例はあるか

最近の事例としては、通所している施設内において、知的障害の方が不穏な状態となり、落ち着かせる目的で、個室で隔離する際に、不適切な対応を行った事例や、施設職員による性的虐待の事例などが生じている。

市は虐待と思われる通報を受けた際に、速やかにその虐待に関する事実確認を行い、認定した場合には、東京都へ通知し、施設運営の改善を求めていくこととしている。

 

虐待について具体的な市の対応は

通報を受けた際に事実確認を行い、認定した場合は東京都へ通知し、施設に対して虐待防止研修などを定めた改善計画の提出を求めている。適切な運営がなされているのかを確認し、確認できない場合には再提出なども含めて対応している。

市の対応はマニュアル化をしているが、関係機関やサービス提供事業者とは、障害者福祉課を中心に個別支援会議などの会議体を通じて情報交換を図り取り組んでいる。

 

強度行動障害支援者養成研修を受けているか

市内の受講者した支援者は7人、短期入所事業所2カ所、生活介護事業所2カ所。

 

厚生労働省作成のマニュアル「障害者虐待の防止と対応の手引き」の中で、自立支援協議会の下に権利擁護部会を設置するなどの体制作りを行うことが示されている。

府中市としての虐待防止の体制はどのようになっているか。

虐待の発生から、その対応の終結までの流れを、マニュアル化している。

市の情報交換の体制については、関係機関やサービス提供事業者との連携協力体制を構築するため、担当する障害者福祉課を中心に、基幹相談支援センターのネットワークや、個別支援会議などの様々な会議体を通じ、虐待の事実確認や、具体的な支援策などの情報交換を図っている

 

地域生活支援拠点等の進捗はどのようになっているか。

昨年度、事業所に対して説明会を開催。申請のあった事業所を拠点として位置付けたところ。今後整備に努めていく。

 

松本市では独自の施策として行動障害の方の住宅改修を補助する行動障害者住宅整備事業をこの4月から始めている。

地域で障害者と家族を支える独自事業をを府中市で行う考えは。

障害特性で苦労している家族の話を具体的に聞いている。松本市の取り組みは有意義な施策と考えるので調査研究していく。

 

障害を持つ方の生活を、市が主体的に地域で支援会議を開くなどの取り組みへの市の考えは

障害がある方への支援は適切な支援体制を地域全体でサポートすることが重要。現状は強度行動障害の方への支援についてのマニュアルはないが、自立を尊重し、生活や行動面に応じた支援計画を作成し関係機関と連携していく。

障害福祉サービスにおける支援員との継続的で良好な関係性の構築や、希望に応じた施設入所の環境整備をはじめ、住み慣れた地域で自立した生活を送るための支援体制が課題である。

 

 

質疑を終えて

市内で171人の方がおられるという市の認識です。予想していたより多いと感じました。当事者の方々に対して、また各施設や地域への市の取り組みについて確認しました。

 

常時介護で一人暮らし 自分の居場所症状落ち着く 四日市 強度行動障害の女性(読売新聞2022年4月5日)

こちらの記事では、グループホームでは生活を厳しく制限されるなどして、行動を制限されるなどして、行動障害が悪化したものの、一人暮らしを始めて自分のペースで暮らすようになると落ち着いた生活が送れるようになったという方の記事が紹介されていました。

強度行動障害のある方の一人暮らしは難しいと考えられがちですが、地域生活支援拠点等の機能を使って変えていけることもあるのではないかと思います。私はこの取り組みは強度行動障害を持つ方が地域で暮らすための支援に繋がると考えています。府中市では始まったばかりとのことですが早急に進めていただきたいと思います。

 

障害者への虐待の報道が度々あります。市としての虐待に対しての対策を確認しました。

厚労省作成のマニュアル「障害者虐待の防止と対応の手引き」では、虐待があった施設は、行政からの指導や処分を受けた後、自ら再発防止策を講じ、改善の取り組みを行うことが基本です。しかし、中には組織の運営管理の力量不足から、自ら支援の質の向上を図ろうとしても、方法が分からない等の要因から具体的な取組につながらない場合は。行政が模範となる施設を紹介し、コンサルテーションを受けるよう指導したり、「虐待防止アドバイザー」を委託し、虐待があった施設に派遣して、再発防止の支援を行っている例もあります。

指導、処分に留まらず、行政もその後の改善に一緒に取り組む姿勢を示すことなどが大切とされています。

 

市の内部ではマニュアルがあり、その他は個別の支援会議などでのみ事実確認や権利擁護の対応について情報共有が行われているということです。自立支援協議会でも権利擁護などは扱っていないとのことですが、個別の支援者だけではなく、市全体として虐待を防止する取り組みとするための枠組みを作ることが必要ではないかと思います。

「障害者虐待の防止と対応の手引き」では、次のように記載されています。

「障害者福祉施設等に対しては虐待防止に向けた取組として市が第三者評価を設けることや虐待防止委員会の設置、内部研修や会議等を通じてが有効です。行政としても、虐待の早期発見や支援の質の向上による虐待の防止を図ることが重要となります。それぞれの地域において、自立支援協議会等の場を活用して、このようにリスク要因を低減させるため関係機関の連携による積極的な取組を行うことが重要です。」

 

虐待は被害者と家族の一生に大きく影響するものです。特に強度行動障害の方にとっては、虐待によって生まれたトラウマがきっかけとなり、行動障害が悪化してしまい、日々の暮らしを大変なものにしてしまうことがあります。

事業者や施設任せではなく、市として、虐待防止についての認識をしっかり持っていただきたいと思います。

そして、仕組みを作るだけではなく、チェック体制も整え、虐待の未然防止を行うこと、そして万が一虐待が起こってしまった場合は2度とおこらないようにするための体制作りを要望します。

その後の再発防止にどのように取り組むのか、注視していきます。

 

虐待は被害者と家族の一生に大きく影響するものです。特に強度行動障害の方にとっては、虐待によって生まれたトラウマがきっかけとなり、行動障害が悪化してしまい、日々の暮らしを大変なものにしてしまうことがあります。その重大さを市はしっかりと受け止めて、一事業者に委ねるのではなく、市内のネットワークを強化するなど、当事者の方が安心して過ごせる場を作っていただきたいと思います。

 

「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」調査によると、市区町村が判断した虐待の発生要因として最も多いのが「教育・知識・介護技術等に関する問題」で、令和元年度は59.8%となっています。

こういった背景のもと、強度行動障害を持っている人への理解を深めることを目的として「強度行動障害支援者養成研修」があります。専門的な人材の育成として、虐待防止・身体拘束廃止の観点から、強度行動障害への対応を中心とした研修体系で人材育成を進めています。

市内では、この研修を受けた人は7人にとどまるとのことです。大変少ない数です。市としてもっと働きかけをするべきです。

 

この度、市の取り組みを様々な視点から聞いてきましたが、具体的にどのようにしていくと障害を持つ人も地域で安心して暮らせるようになるのか、市がどういったことを目指しているのかが今ひとつ伝わってきませんでした。

他市の事例、国の制度も利用しながら、市独自の制度も検討して具体的に進めていただきたいです。

「強度行動障害」と言うと、市内ではなかなか受け入れてもらえる施設や事業所が見つからず苦労した、という当事者の方の声も聞きました。市内の状況、当事者の方々の話をしっかりと受け止め、具体的な施策として進めていただきたいと思います。

全文はこちらの動画からご覧ください。