西の なお美 トランジション日記。

西の なお美 トランジション日記。

府中市議会議員 西の なお美 のつれづれ日記。
持続可能な地域社会への移行。
食、経済、エネルギー、職を地元・府中で循環させて地域力を高めよう!

昨年、新型コロナウイルス感染症対策による長期休校が決まった際、市内の学校給食がなくなることについて多くの保護者が不安を訴えました。

同時に、学校給食センターが調達していた約2万食分の食材はどうなってしまうのか、といった市民からの問い合わせもありました。それまで想定できなかった事態が現実になったことであらためて食の安定的な確保をいかに担保するか、食材の安全性が非常時にも守られるかを、今こそ考えておくべきと思いました。

今回は特に農産物について取り上げますが、市場ではさまざまな農薬の使用や遺伝子組換え食品、また近年ではゲノム編集といわれる技術が開発され、食の安全が脅かされています。特にゲノム編集食品については日本では表記の義務が必要ないとされたため、この技術をつかった農産物が一旦市場に出てしまっても消費者には見分けがつかないことから、消費者の選択肢を奪うと問題になりました。このような状況だからこそ、特に子どもたちの食の安全性確保のためには、農産物がどのように作られてどこから納入されているのかを知ることが重要であり、身近な地域で生産される、生産者の顔の見える農産物を食べ続けることが重要です。

農林水産省は有機農業が農業の自然循環機能を大きく増進させ、環境負荷を大きく低減するものであるとともに、その農産物の付加価値を高める支援強化として販路拡大の一つとして学校給食を位置付け市町村と生産者らの取組みへの助成を拡大しています。

府中市においても総合計画で、都市化が進む中で農地保全や農産物の流通拡大などを盛り込み、取り組んできたはずです。学校給食についても府中産農産物の使用について目標値を決めています。

農産物の地産地消をすすめ、食材を安定的に確保していくこと、また、その農産物を有機栽培にすることで安全性を確保し、地場産野菜の価値をより高めて有機栽培を行う農業者を支援していくために、以下質問しました。

 

(1)学校給食に使用される食材について

国産食材、地場産野菜の使用率、どのような工夫をしているか?

  • 基本的には国産の食材を使用しているが、一部の調味料、香辛料等で国内の生産がないものがあるため、国産食材の使用率は99.8%となっている。

 

地場産食材の使用率を高める取り組みとして、地元の農業協同組合と協議し、給食のない夏休み中に収穫されたトマトや、大きさが不揃いのトマトを使用したピューレを使用するなど工夫をしている。

 

地場産の有機野菜を学校給食にしようすることについて配慮していることは?

  • 地場産野菜のうち、小松菜については、エコ農産物認証を受けているものは、10%の金額を上乗せしたものを購入している。

 

遺伝子組み換え食品や、ゲノム編集食材についての扱いは?

  • 遺伝子組み合え食品は業者からの検査結果証明の提出を求める。ゲノム編集食材については、今後国の動向を注視していく。

(2)市内や地域の農業振興や農業従事者への支援について

農業従事者の数と農地の増減の状況は?

 

食の安全性の観点から可能な限り地場産野菜を取り入れること、農家が有機栽培を目指すことについての支援をどのように考えるか。

  • 東京都独自の取り組みとして、土づくりの技術、化学合成農薬削減の技術、化学肥料削減技術などの工場を図り、安全・安心で環境にやさしい農産物の生産を振興し、エコ野菜の流通を促進する「エコ農産物認証制度」を進めている。
  • 都のエコ農産物認証を受けている農家に対して市の補助事業を実施。農薬や化学肥料の削減については、25%、50%、100%削減の3つの区分があり、その認証を取得すると「東京都エコ農産物認証」マークを付して販売することができる。

 


 

農業の推進、地産地消についての府中市の考えについては市長から答弁がありました。

農地の減少や周辺開発による営農環境の悪化、農業従事者の高齢化など厳しい状況だとのことでした。

都市農業は、潤いのある市民生活に寄与し、地域への貢献意識による生産意欲の向上、流通経費の削減といったメリットがあるとのことでしたが、私はここに、もう一つ「地域での安心な食材の安定確保」という視点を入れたいと思います。

 

市民の意識を高め、地域の農家さんが作った野菜の価値を理解して購入するということも必要ですが、市として、地産地消を進めるための仕組みとして学校給食に取り入れていくことの強化を提案しました。

 

学校給食の仕組みを使って、有機野菜の地産地消を定着させよう

府中市では総合計画で、学校給食の充実の項目では真っ先に、府中産農産物の使用割合を増加させることが挙げられています。使用品目数、使用量を増やしていくことが課題とされ、平成33年度、つまり令和3年度の目標値は8.0%が掲げられています。しかし、現在は5%から6%程度ですので、なかなか目標には届きません。

府中市の給食センターの新築については、新センターでは地場産野菜を使いやすくするよう泥付き野菜でも持ち込めるよう泥落とし室などを設けるとされていましたので、新センターの稼働により地場産野菜の割合が増えることを期待していましたが実際はなかなかそうはなっていないのですね。

 

愛媛県今治市では、2万1,000食の調理能力を持つ大型学校給食センターの老朽化に伴い、様々な議論があった結果、自校式給食に切り替え、20の調理場があり、毎日1万3千食の学校給食が作られています。それぞれに栄養士さんがいるので献立は20通りあり、地場産野菜を取り入れやすくしたということです。現在、地場の有機野菜を取り入れるなど取り組みが進んでいます。

 

小平市では「小平市立小学校給食地場産農産物利用促進事業」を実施。

農業予算を給食会計に補助金として交付、食育の推進と農業振興を図る取り組みを行い、地場産農産物の安定供給と配送システムの確立を目指して、「地産地消推進事業」を実施。

JAを通して市内農家から給食の食材を調達し届ける事業を行うなど、積極的な取り組みをしたことで、10年前には5%未満だった地場産野菜使用量を25.8%まで伸ばしたとのことです。

 

学校給食だけ、農業振興だけ、とするのではなく、包括した取り組みで確実に公的なところで有機野菜を使用することで、安心、安全な農産物を確保することに繋げていくべきです。

 

食の安全を守るためにも大切な地産地消

食品の安全確保という視点で、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品についての扱いも聞きました。遺伝子組み換え食品については表示の義務があるのですが、ゲノム編集食材については、義務付けられていないために、加工食品になれば見分けがつきません。

遺伝子組み換え食品は、生態系への影響や、食品としての安全性に疑問が持たれています。

そして、ゲノム編集は自然界で起きている突然変異と変わらず、従来の品種改良の延長線上にあるとされていますが、誤ったDNAの切断やマーカー遺伝子の残留などが指摘されており、欧州司法裁判所は、ゲノム編集は従来の遺伝子組み換えと同様の規制対象とすべきとの判断を示しています。

 

表示義務がない以上、安心、安全な食品を使っての給食を守るというためには、食物を作る工程、野菜栽培から、加工まで顔の見える関係にしていくということが大事だと考えると、地場産野菜の使用率を増やすことは大切なことだとあらためて感じています。

 

質問の全文はこちらの映像から。