西の なおみ トランジション日記。 -5ページ目

西の なおみ トランジション日記。

府中市議会議員 西の なおみ のつれづれ日記。
持続可能な地域社会への移行。
食、経済、エネルギー、職を地元・府中で循環させて地域力を高めよう!

「フォルケスコーレ」というデンマーク独特の国民学校があります。

「人生を考えるための学校」「民主主義思考を育てる学校」などと言われていますが、1844年に農民のための学校として作られた学校です。デンマークは教育費は一切かかりません。驚いたことに、海外からの留学生も無料で学べるのです。

さらに、18歳以降の学生には生活費も支給されるので、日本のように奨学金やアルバイトに追われることもなく、じっくりと学ぶことができます。子育て施策、ではなく、子ども若者自身への直接の投資。日本でも実現したい!

 

 

 

入試なし、共に学び、共に暮らす。授業は対話。

学校は全寮制で、生徒だけでなく教員も一緒に共に暮らします。17歳以上であれば誰でも入学できるので、大学に進学する前に自分に合った進路についてじっくり考えたりすることもできるし、一旦就職したけれど退職してやり直してみたい、どんな仕事が自分に向いているのかを考えるために来た若者もいましたし、退職後のシニア世代の人も多くいました。学校によって特徴があり、私が体験入学したのは、南デンマークにある田舎町の学校。アートや自然、農業、DIYなどの手作りのカリキュラムが充実していました。授業は英語で行なっていたので、留学生も多くいました。


食事は朝、昼、夕、すべて食堂でビュッフェスタイル。ハード系パンにチーズ、サラダ、果物とハム、といったシンプルなもので、地域のおばちゃんが長年作ってくださっているそう。とても美味しかった。

 

食事は毎回手作りで、ベジタリアン向けのメニューもありました。
  

生徒も教員も一緒に食べます。夕食の後は、リビングに集まって映画を見たり、テレビでスポーツを鑑賞したり、ゲームをしたり自由にすごします。イベントを企画したり、学校に対して意見があるときは食事時間を使って話し合いも行われていました。


 
部屋はデスクとベットのみのシンプルなワンルーム。トイレやシャワー、リビングルームは共用。

 

パーマカルチャー、ウェルビーイングの授業を受けてみた

私はパーマカルチャーとタイニーハウス、ウエルビーイングの授業を選択しました。学校の中の畑で作業をしたり、木をノコギリで切ってタイニーハウスとなる小屋を作ったり、ウェルビーイングの授業では社会福祉士の先生から、犯罪歴のある若者の復帰を支援するための問題などのレクチャーの後で生徒同士で意見を交わし合う、そんな授業が展開されていました。

   
どの科目もテキストはなく、先生から「今日はこんな内容したいんだけど、どうする?」と問われて「みんなで話し合おう」と決めたり、ゆるーく、自由な授業でした。年齢も背景も多様なので、お互いの意見を聞きながらどのように進めるか、話し合っていきます。原則は皆が楽しめること。ひとつ一つを合意して進めていくという工程自体も、ユーモアも交えて本気で話し合ったりするというのは、子どもの頃から慣れているといいます。これぞ、今の日本に必要な教育なのだと実感しました。