「皆で作る◯◯」という広告戦略って、虫が良すぎるよね



最近、「皆で作る◯◯」って、よく聞くじゃないですか?
「みんなで応援しよう!」「みんなでバズらせよう!」とか、そういうのッス。
制作過程からお客さんを巻き込むのは、もはや広告戦略のスタンダードになったと思うんですね。


ただ、「国民巻き込み専門家」の祖であるキングコング西野に言わせると、ゼロ段階からお客さんを巻き込むには「文化」の問題や、「権利」の問題をクリアしなくちゃいけなくて、そこをクリアしない限り、「皆で作る◯◯」の実態は、「『プロがプロだけでほぼ完成させた作品』の宣伝を一般のお客さんに手伝ってもらう」だったりします。

でも、実際問題、「他人が完成させた作品」って、宣伝する気になります?
政治家が作ったイベントを突然目の前に出されて「皆で応援しよう!」と言われても、「いやいや…」って、なりません?

僕は、なりますよ!

「インセンティブ設計が甘いんだよ」と呟く 意識高い氏

どうせ応援するなら、自分達がなるべく初期段階から携わったモノを応援したいじゃないですか?
僕は、したいですよ。

でも、先程も申し上げたとおり、「文化・しきたり」や「権利」や「情報解禁日」といった大人の事情というものがありまして、「お客さん参加型」とはいうものの、お客さんが参加できるのは、だいぶ後半の方だったりします。



そんなのはイヤだ!

そんな時に、権力者に対して「そんなのはイヤだ!イヤイヤ!ぜ~ったいに、イヤだ!」と言える珍しいタイプの日本人が何を隠そう私、キングコング西野でございます。

イヤイヤダンスを炸裂させる運動音痴氏

映画『えんとつ町のプペル』は本当の意味で「皆と作りたかった」ので…言い方を変えると、皆に今回の作品の当事者になって欲しがったので、なんと、映画『えんとつ町のプペル』の企画をスタートさせる際、天下の電通さん、吉本興業さん、スタジオ4℃さんに対して、「広告戦略は僕に一任してください。じゃなきゃ、ぜ~ったいにイヤよ!」と言い放ったのです。

映画『えんとつ町のプペル』は企画立ち上げの段階で、そういった約束があったんですね。

その約束があったから、販売するハズだったポスターのデータを販売せずに、皆さんにプレゼントすることができたのです。

その約束があったから、完成前の主題歌のラフをYouTubeにアップして、「お好きにカバーしてくださいな。あたなのカバー曲は僕がシェアします」という企画をスタートすることができたのです。


そしたら、どうでしょう。

なんと昨日、映画『えんとつ町のプペル』のカバー曲を歌ってくださったアカシアオルケスタさんが、公式Twitterで、こんなツイートをしてくださったのです。


なんとなんと、インストver.(カラオケバージョン)を、ダウンロードできるようにしてくださり、「どうぞ、皆さんで歌ってください」と提供してくださったのです!
神かよ!!
好きです!
はやく結婚してくれよ!


こういうのがイイよね

少し真面目な話をすると、アカシアオルケスタさんが応援してくださって、それを僕がシェアすることで、アカシアオルケスタさんに還元する……こういうウィンウィンの関係が一番イイです。

どちらかの労力が犠牲になるのではなく、「相手の為に頑張ることが、結果、自分の為になっている」という状態が、もっとも継続的に相手を応援し続けられるので、この関係が僕は好きです。

ここから映画『えんとつ町のプペル』の公開までに僕がやることは、映画を絡めながら、一人でも多くの表現者を勝たせることだと思っています。
メチャクソ頑張りますので、引き続き、応援宜しくお願い致します。


キングコング西野亮廣


【新作情報】

舞台『えんとつ町のプペル』でソールドアウト回が増えてきています。
先日、舞台稽古を見学させていただきましたが、本当に素晴らしい舞台なので、お見逃しなく。
(※チケットが追加されたみたいです)

ちなみに僕は…1月21日の神戸公演、2月1日&
2月3日の東京公演を観に行きます。
客席ロビーでウロウロしておりますので、気軽にお声がけください。






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