2020年の9月末ごろ。
市内のとあるアパートで子猫が6匹生まれました。
アパートは野良猫が多く、メンバーの1人が以前からTNRや保護・譲渡を行なっている場所でした。
今までも子猫が何度か産まれており、間に合わずに姿が見えなくなってしまった子もいる現場です。
お年寄りが多いアパートで生まれた子猫達とその母猫。アパートの住人の方が目をかけてくださり、室内を開放したりご飯をあげたりしてくれていました。
しかし、衛生的にあまり良い場所とは言い難く……子猫達は酷い猫風邪を患っていました。
与えられる食べ物の中にはお弁当の揚げ物や菓子パンなどもあり、このままでは内臓にダメージが出てきてしまいます。
6匹産まれた仔猫達は母猫の愛情を受けながら、少しづつ大きくなりました。
時期は11月の終わり。これからどんどん寒くなる頃です。栄養状態の悪さと、悪化していく猫風邪。仔猫たちの保護と治療が急がれました。
6匹のうち1匹は引き取ってくださる方がいたため、その方のお家へ。
2匹はメンバーの中で預かり枠が出たため保護預かりへ。
1匹はメンバーのご家族が引き取ることに。名前は『おかか』になりました。
残った2匹も引取先が決まっていたのですが、1匹が寒さに耐えられずに虹の橋を渡りました。発見した時は布団にぶら下がっている状態で瀕死でした。身体を温めて病院に駆け込みましたが助からず……。
「もう少し早ければ…」と悔しさを噛み締めました。けれども、できることには限りがあり、いつだって精一杯の選択をしてきていました。
それでも、悔しい。
6匹を小さな身体で必死に育てた母猫はTNR予定でしたが、会の知り合いの方で預かりを申し出てくださった方がいました。
小柄で可愛らしい三毛柄の母猫。
ちなちゃんと名付けられた母猫は12月の譲渡会に参加しました。残念ながらまだ譲渡は決まっていませんが、今後も焦らずに新しい家族を探そうと思います。
そして、メンバーの保護預かりとなった2匹について、少しだけ紹介させてください。
ミニラとチビラの2匹について。
名前の由来は「小さなうちに新しい家族のところに行くだろうから、ミニとチビ。新しいお家で一生の名前が貰えるように」という願いが込められているそうです。
保護された当時は猫風邪と結膜炎で酷い状態でした。身体もドロドロ。食欲があったこと、体力が残っていたことが幸いです。
多い時は一度に5種類の薬が処方され、投薬の日々だったそうです。
ミニラは結膜炎が酷く、目の内膜の腫れが瞼の外に出てしまっていました。放っておくとくっついてしまうので、目薬や軟膏が欠かせません。
チビラは結膜炎で目が腫れて輪郭が変わってしまっているのと、猫風邪による鼻水で呼吸がかなり苦しそうでした。
寝ている時も苦しいので上を向いて口を開けていました。
最初はそんなボロボロの2匹でしたが…
少しづつ、少しづつ良くなっていき…
3週間ほどもすると見違えるようになりました!
しかし、今現在も猫風邪は完全には治りきっておらず……成長とともに免疫が強くなり症状が消えていくのを待つことに。
突然、他のきょうだいや母猫達と離れ離れになってしまった2匹。まだまだ甘えたい年頃です。
猫風邪が良くなってからは、預かり宅の先住猫(オス)のおっぱいをしゃぶったり。
大人には可愛がられるものだと思い込んでいたのに、近づいただけで怒られて社会勉強をしたり。
一緒にお昼寝したり。
なんでも受け入れる年頃の2匹は、猫にも人にもよく懐きました。
ミニラは三毛キジ柄の女の子。しっかり者の風格がでてきています。甘えたい時にはペロペロ舐めて、誰かにくっついて寝るのが好きです。
チビラは茶白の男の子。ぽやんとしているところがありご飯を食べるのがまだ下手くそ。おっぱいがなかなか卒業できない甘えんぼ。
2匹とも少しづつ性格の違いが現れ始めています。
ミニラとチビラは今週のはじめには無事、ワクチンも済ませました。あとは2度目の駆虫を行う予定です。
月齢は生後3ヶ月半くらい。保護した時は600gくらいだった体重も1.5kgくらいになりました。
そして2匹一緒に今月の17日の譲渡会に参加予定です。譲渡会では1匹づつの方が譲渡が決まる可能性が高くなります。
でも、2匹はいつも一緒です。生まれてから保護されるまで、保護されてから今までもずっと一緒に過ごしてきました。
なので、今回は預かり主の意向もあり2匹ペアで迎えてくださるお家を優先することとなります。
もし、保護されずにいたら死んでしまっていた可能性が高いミニラとチビラ。
せっかく保護されて、猫風邪を治療して、元気になったミニラとチビラ。
預かりとはいえ、先住猫や預かりさんに愛情たっぷりに可愛がられたミニラとチビラ。
2匹がずっと一緒にいられるように、幸せになれるお家を見つけてあげたいと思っています。
おまけ
当会の猫ちゃん達に会える保護猫カフェ