おとなになってから学ぶ
神奈川・横浜の夜間中学を考える会 主催の講演会に伺った。
講師は日本女子大学学術研究員の長岡智寿子先生。グレイのワンピースに艶やかな黒髪の
明らかにLADYな感じの若き研究者。この方が実はネパールに出向いて女性の社会参加と識字教育を現場で取材されてきた強者だとは、その清楚な外見からは誰も想像できないだろう。いや、人は見た目で判断してはいけない😅
ネパールは1951年に民主化をしてから、国際社会の協力もあり、女性が学ぶことが許されるようになった。国家としては、近代化を図るため、女性にも社会進出してもらい経済活動を起こしたいのが目的であろう。識字だけではなく、社会参加がもっと言えば、服を縫うとか、効率的に農耕を行うなどが、大人の教育プログラムに含まれているようだ。これを長岡先生は、ノンフォーマル教育と紹介された。学校に通って学ぶのがフォーマルなら、住み慣れた地域で、家事や育児など労働の合間に女性達が学ぶ。
ちゃんと教室の体を成している場合もあれば、
貸してもらった部屋に這い蹲るかのようにノートをとる、そんな教室も珍しくない。
男女の識字率の差は歴然としている。ネパールでは、それに加えてカーストが存在する。生涯教育を進める上で、これも大きな障害となっている。
教室に集まる女性は、ほぼ同じカーストの人なのだそうだ。
ところで、近年、ネパールから来日する人が増えている。仕事を求めているのは間違いない。
入管法改定が審議されているが、今この時に日本で暮らす彼等のことは、考えられているのだろうか。
人はどこにいても学ぶ喜びを知る権利があると私は思う。そして、学んだことを活用して幸せになる権利がある。