外科医の数 | 徒然草

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今晩は。

 いよいよ昼頃「全日本医師剣道大会」に出発致します。7年ぶりの大会参加なので、昔の仲間達は私を忘れているかもしれません。身長が8cm縮み、体重が30Kg 落ち、わが父親(おやじ)似の猫背になってしまいましたので、チョット見ても私とはわからないかもしれないですよね。

 

 昔の袴は6cmくらい短くしなければ、袴の裾が体育館の拭き掃除をしてしまうくらいですし、上着は5号から3号になりました(^_^) 

 竹刀は3尺9寸から3尺7寸(中学生用)の短くて軽いのにしていますから、相当叩かれることでしょう。

 まあ、それでもいいんです。しっかり構えて立っていられるだけで、ここまで回復したことを自分で納得できると思うので。しっかり構えて堂々と打たれてまいります。

 

 さて「姫小百合(ひめさゆり)」が咲きましたのでアップしておきます。花々とも3日間のお別れです。

 

 2枚目は「京鹿の子(きょうかのこ)」

 

 最後は「アジサイ」です。

 

 院長

 

 今日も「コロナ」の患者さんがおりました。皆さん、私が帰ってくるまで無事でいてくださいね。(^^ゞ

 

 さて今年4月に2年間の研修を終えて「専攻医」となった医師に対し、日本全国で2143名の外科専攻医の募集がございましたが、やはりというか何と申しましょうか、集まった志望者はその半分にも満たない、わずか807名にすぎませんでした。

 なんと佐賀県に至っては13名の募集枠に対して一人も外科医を志望する者がいなかったようで0名、島根県では14名の募集枠でわずか1人しかいなかったとのことです。

 

 内科に比べて辛くて長い修行期間と、その腕に人の命を預かるというリスクの高さによるものかもしれませんね。それに加えて医療費削減など厚労省による「保険医いじめ」も外科医離れ、さらに昨今では保険医離れ(手軽で儲かる自由診療による美容系への流れを加速)も起こっているのが現状です。

 10年後には外科医を目指す医師は0になっていても不思議ではないというコメントもございます。ちなみに私の開業している地域で外科の開業医は私たった一人です(あと、近くの病院に一人)。

私が止めたら、皆さんどうするんでしょうね?

 

 既に都会では自由診療だけを行う専門の医療ビルが出来ているそうで、お金に糸目をつけない中国の富裕層などから予約がドンドン入るのだそうです。保険を使わないから薬の値段も検査の項目も、さらに手術も何の制約もなく行えて、あらかじめの契約で責任の有り様を明確にしておけば、リスクもほとんどないですからね。

 

 しかも事業は会社が行いますから医師には設備投資のリスクもないわけで、医学部を卒業して、外科医を目指すなら外国で研修して、しっかり一人前になればこういった会社に就職すれば「低リスク高リターン」の生涯をおくれるわけです。「保険制度と、辛くて苦しい修行に、生涯縛られるなんて馬鹿馬鹿しい」と思う医師が出てきても何ら不思議はないような気がします。悲しいことですが、その兆しは見え始めました。

 

 もう私には「後戻り」の道はありませんが、もしいま卒業した時点に戻れたとしたら、果たしてどんな道を進んだことでしょうかね?

 

 問題点は明白です。「厚労省が医療費抑制のやり過ぎで、薬も作るメリットがなくなったし、医師も保健医療をするメリットがなくなった。」ということでしょう。

 

 国ももう少し我慢すれば私のような「ベビーブーマー」達がいなくなりますので、老人医療も今ほどお金がかからなくなると思うのですが、国としては我慢が出来なかったということかもしれません。保険医制度を「医師、患者、製薬会社」の三者にとってウイン・ウインの好循環になるよう設計し直さなくては「外科医はいなくなる」「保健医療はいずれ崩壊する」と私は思います。