1月から運営を担当していた特別研修(司法書士が簡易裁判所の代理権を取得するための研修)が、3月で補講も含めて終了し、ようやくひと段落。

 

ブログも、再開です。(とりあえず・・・。得意げ

 

 

43日に、東京司法書士会で、成年後見支援信託


名簿登載に向けた研修が行われました。

 

ときどき、ニュースにもなってたので、ご存知の方もあると思いますが、


簡単に言うと、後見制度支援信託とは、財産の多い方に親族の後見人をつけるにあたって、


とりあえず必要な財産を除いて、信託銀行に預けてしまおうという制度です。


 

それで、財産をまとめて、信託銀行に預けたりする事務を


司法書士、弁護士等の第三者後見人が行って、


そのあと辞任して、親族の後見人にバトンタッチするという制度です。


 

なんでそんな、面倒なことをするのかという感じですが、


親族後見人の被後見人の財産の使いこみが24ほどの割合で発覚し、


被害額も相当額(月に約2億円)に上っている現状、


家庭裁判所の管理責任が問われかねないというところで、考え出された制度です。




 

親族後見人としては、親が認知症でなければ、


出してもらえたお金を使っているにすぎないと思うかもしれませんが、


やはり法律上それはまずいということですね。

(使い込んでいる額も、出してもらえるレベルを超えているケースもあるようです。)


 

適用されるケースでは、親族後見人が


端から疑われているように感じて気分を害されることもあるかもしれませんね。


しかし、ここは、被後見人の財産を守る制度だと考えるしかないでしょう。


 

使用期間のリーディングケースでは、特にそのような反発はなく、行われたようです。


 

ただし、どのようなケースでも利用できるわけではなく条件があります。

・遺言書が書かれていない

 

・株式等の信託できない財産が多く含まれていない

 

(自宅以外に不動産と多く持っている。)

 

・その他、施設に入る予定があるなど、住所が一定しない可能性がある、収支の計画が立てにくいなど

があります。

 

また、信託もただではないので、財産が少ないとできない可能性もあります。

 

成年後見制度支援信託を利用するかどうかの最終判断は、


第三者後見人が、行うことになります。結構責任、おもいです・・・。

(もちろん、家庭裁判所の意見を聞きながらですが・・・。)

 

東京家庭裁判所では、この第三者後見人(司法書士の場合ですが)は、


研修を受けた者が名簿に登載され、その中から選任されることになります。

 

まだまだこれからの制度なので、


この場合どうなのというケースも出てくるかと思いますので、情報をお伝えしていきますね。





昨日

東京司法書士会 自死問題シンポジウム

「むきあう・ささえる・つながる~いじめから子供の命を守るために~」

に参加しました。

 

基調講演NOP法人全国いじめ被害者の会代表

    大澤 秀明氏

パネルディスカッション

 パネリスト 大澤秀明氏(上記法人代表)

       井上 悟氏(都立中部総合精神保健福祉センター

             副所長)

       大谷惣一氏

    (弁護士・

     第二東京弁護士会子どもの権利に関する

     委員会副委員長)

太田久美氏(NPO法人さいたまチャルドライン

     代表理事)

早坂智佳子氏(司法書士・

     日司連自死問題対策委員会 委員)

 

 

大澤氏は、基調講演で、

学校側、教育委員会が、いじめがないことにして、

教師が止めないことが大問題であると指摘されました。

そして、それは、文部科学省の指導であると。

 

本来、学校教育法にはいじめを行った者は、

措置というものを取ることになっているが、

いじめがないことにしようとしているため、まったく機能していない。

 

いじめられた生徒の救済にならないのももちろん、

加害者側の生徒も何の指導もなされないまま

(何が、悪いことなのか、分からないまま)、

大人になってしまうとのことでした。

 

どうも、いじめがないと報告するのが暗黙の了解であるかのようですね。

 

これを聞いて、いじめの問題も根底には、

原発安全神話(大事故起こしました)、

検察が起訴すれば100%有罪問題(冤罪、いっぱいです。)

と同じ、そもそも、

この国のシステムがおかしいという問題があるように思います。


 

ある社会学者の話で、アメリカでは、

授業を選択制にして、気の合わない人とは合わないで

 済むようにしている。

暴行、恐喝に対してはすぐに警察を入れる。

という対処を取るようになって、

いじめは激減したということです。

 

偶然にクラスという狭い世界に入れられ、

その中でうまくやっていくよう強制されるわけなので、

当然はじき出される人もいるわけです。


特に、発達障害の生徒に対する理解がないので、

深刻ないじめに発展するとの話でした。


また、幼少時の酷いいじめによって、

精神に障害が発生することもしばしばであるとの話もありました。

 

その中で、横浜市では、

授業ごとにクラスを分ける試みがなされているようで、

うまくいているようです。

 

いじめが起こった場合の

学校教育法による措置、警察の介入を

求めるということについては、


いじめをなかったことにした方が、出世する、

学校という組織の中でうまくやっていけるという仕組み自体

をなんとかしなければ、ならないように思うのですが・・・。


このシステム自体を変えるということは、

自分には関係ないと思っている人を含めた意識が

変わっていくことが重要なのでしょう。


成年後見については、社会的要請から、制度もだんだん浸透してきて

知識をお持ちの方が増えたように思います。


親族の方が、後見人になっているケースが多いのですが、

親族後見人の使い込みが問題となるケースが、かなり多いようです。

家庭裁判所への報告も全くなされていないようです。


この場合、他の親族から裁判所の管理責任を問う声が上がることを

裁判所は恐れているらしいですね。きくところによると・・・。




そこで、裁判所が考え出したのが、後見制度支援信託

聞きなれない言葉だと思いますが、簡単に言うと、

被後見人の財産のほとんどを信託銀行に預け、

必要な分を後見人が家庭裁判所の審査を経た上で

必要額を信託銀行から引き出すという制度です。



最初は専門職後見人がついて、

後見制度支援信託を使う手続きも含めて、親族後見人を手伝い、

もう大丈夫というところで、専門職後見人は辞任、

後は、親族後見人が、後見事務を行うという運びになります。


今年の2月1日から、(鳴り物入りで?)運用が始まったのですが、

流動資産が3000万円以上とか、要件がきびしかったせいか、

対象となったのは司法書士会11件、弁護士会9件。

その内、信託の契約までこぎつけたのは、1件だけとのことです。

(なかなかうまくいかないものです。)


そこで、裁判所は、要件を緩和し、流動資産1000万円以下にしたい

という話も出ているようです。

資産要件を緩和すると、親族後見人の使い込み額も少額になるし、

信託銀行の費用もばかにならないので、制度自体???のような気がするのですが。

今のところ試行期間を来年度3月まで延長するという話です。