そして再び始まる剣の道 | 西警察少年剣友会

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西警察少年剣友会は、愛知県警西警察署をお借りして、主に小学生、中学生の指導・育成につとめています

20年ぶりにやった剣道は散々。

そうそう、剣道ってこんなんだった。

やめとけばいいのに、あいさつ代わりに会長にも懸かった。

フルボッコにされ、ぼろ雑巾のようになった。

 

ただ、

 

高校時代と違うことがあった。

 

あれ?なんで当たらん。

あんなおじいちゃん先生になぜ当たらない。

体力、筋力、瞬発力、スピード、何一つ先生に劣るものはない。

僕はヒィーヒィー言っているのに、先生は飄々と立っている。

不思議だ。

 

高校の頃には何も思わなかった。

先生に当たらなくても、先輩に当たらなくても、こんな不思議な気持ちにはならなかった。

圧倒的な力と体力でねじ伏せられていたため、何も疑問に思っていなかった。

 

おかしいぞ、なんだなんだ、何が起こっている。

僕は何をされている。

新手の催眠術か?

 

少し大人になって知恵がつき、サルから人間に進化したように、今自分に起きていることに疑問を持つという事に気づいてしまった。

 

当時のK会長七段、そして現在の会長N先生七段、この二人に懸かる。

毎回、毎回、ボコボコ。

かすりもしない。

なぜだ?

さっぱりわからん。

 

このころには狂ったように通っていた海もぴったりやめ、剣道だけになっていた。

毎週、道場で先生に懸かる、そのイメージを残し、1週間かけて対策を練る。

あーしたら、こうして、ここをバーン。

しかし毎回、あーしたら、こうされて、バーン、バーンバーンの三倍返し。

この繰り返し。

 

本を読み、ネットで検索し、自分でいろいろ研究する。

考え、試して、懸かる。

この繰り返し。

この中で「攻める」という事に気づいた。

恥ずかしい話、攻めるなどという事を意識したことは一切なかった。

誰も教えてくれないし、そんな言葉すら知らなかった。

高校時代は、とにかくパワーとスピード。

あえてそれらしいことと言えばフェイントぐらい。

全く一方通行の独りよがりな剣道をしていた。

 

今までしていたのはケンドーというスポーツ。

大人になって初めて気づいた剣道という武道。

 

もっと早く知っていれば・・・・。

誰か教えてくれればよかったのに。

 

いや、多分言われていたのだろう。

その時には全く心に残っていなかっただけだと思う。

 

それから18年、剣道だけ。

こんなにのめり込むことになるとは思わなかった。

今は子供に教える立場になっている。

攻め、呼吸、理合い。小学生にはわからないかもしれないが、自分の知る限りを教えているつもり。

ケンドーが強くなることではなく、剣道が強くなる方法を教えたい。

技術的なことも、技術を身につけるための、その過程を学ぶことが剣道。

考え方、捉え方、身につけ方、それを実践することで身につける力。

打った打たれたではない、どう打つか、どう打たれたか、じゃあどうすればいいか。

 

剣道が強くなれば人間的にも成長する、人間が成長すれば剣道も強くなる。

剣道が強くなれば人生も有意義になる。

剣道を通じて立派な大人に成長してほしい。