間食もせず、ブラッシングも気をつけているのに、時々根面う蝕を作る患者さんがいました。
お話を伺っていくうちに分かったのは、お料理好きな方で、味付けが甘すぎるということでした。煮豆にたくさんのお砂糖を入れ、お茶請けとしてつまむことが多いとのこと。日が経つと捨てるのがもったいないので、ついつい自分で食べてしまうことなどが浮かび上がってきました。
煮付けやお惣菜の味付けに伴う味見でちょくちょく糖分が口の中に入っていました。台所に立つ時間が長い熱心な手作りの意外な落とし穴です。
食品添加物には味や形を整える役目もあります。世界各地でそのために伝統的な調理方法が進化してきました。何世代にも渡って確かめ、検証されてきた方法です。塩も砂糖も胡椒もそうした調味料でした。いずれも生きて行くための知恵だったのです。忙しい現代に作り置きは必要な物です。しかし、味付けには注意を払いたいものです。（p72~73）