死んだ夏は あたしにあさましい夜を遺した
でも本当にあさましいのは あの夜に縋ろうとする あたし自身だ
決っして消えない朱い夜は 軀に染み込んで泣きじゃくっている
澱んだ月は穢れたあたしを見下し 冷たく光りながら欠けた
終わらない夏を願ったあの時が 過ちの始まりと知る
夏と一緒に死んだアイツは あたしを秋へ投げ出し 冬に置き去りにした
凍える感覚さえもない心は アイツの温みさえも憶えていない
それなのに痛みの匂いが付き纏い あたしを赦せないあたしを鞭打つ
これが境界線を越えた罰なら あたしはこの冬の夜に永劫にとどまる
アイツの所へは どうせ行けやしない
わかってる わかってる わかっているのに変われない想い
欠けた月を見上げて 再び来ない春を冷たく笑った