落鳴 | 永劫回帰

永劫回帰

価値なき存在


この辺りは雷が多いのか、よく雷注意報が出ている。


そういえば、ここで暮らすようになってから雷鳴をよく聴くような気がする。


その度にカーテンを開けて空を眺めている。


思えば子供の頃から稲光が空に描く紋様が好きだった。


あの禍々しいような光が空を切り裂く様が目に焼き付く。


その後に来るバルバルとした音にボーッと酔うような感覚になる。


夜の雷はまた格別だ。


光の瞬きが夜空を白く覆い、轟音が雨の静寂を破る。


一日中、雷の落ちる星に住んでいたならば、ずっとそれを眺めているだろう。


最近はそうした雷神の怒りを見るにつけ、あれに撃たれてみるのも悪くないかもと思い始めている。


一瞬の間に何もかもが終わる。


そう予想にもしない呆気ない最期。


遠のいていく雷鳴に悲しくなる自分がいる。