わたしはいま首輪を預かっている。
ある女性から送られてきた首輪。
それはMasterがあの夜、
彼女の首に着けた首輪。
その首輪をMasterに届けるようにと
Masterに言われている。
わたしは、Masterに二度質問した。
お届けしたいので、お届け先のご指定をお願いします。
でもその答えは二度とも頂いていない。
Masterは何処にいらっしゃるんだろう。
わたしは考える。
何処へ行くと、Masterにお逢いできるのか。
何処へお手紙を書くと、届くのか。
わたしのリードは
あなたが握っているはずなのに
わたしはそのリードを辿っても辿っても
あなたへと辿り着けない。
そのリードを伝わせて言葉を送っても送っても
あるのは静寂のみ。
独り言を
わたしはずっと言っている。
戯れ言をわたしはずっとずっとしゃべっている。
意味のあることなのかそれすらも分からないけれど。
しゃべり続ける。
誰にも届かないところで。
独り言を言い続けると
心がだんだんと蝕まれてくるよと言ったら
それこそが愛だと
わたしに首輪を送って寄越した彼女は言った。
それがカルマってもんじゃないかと
彼女は言ったんだ。
わたしは、200篇の詩を書き上げた。
おめでとうと彼女は言ってくれた。
何がおめでたいのか
わたしは分からないけれど
涙が止まらなくなった。
それは、
まるで生まれてきたことに対する
労いのことばのように感じられのだ。