Ponanzaの横顔 | タマネギの流氷漬け

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将棋を中心に、長男・次男の少年野球等、子供たちの日々の感じたことに対して書いていきます。

今回はポナンザの横顔、そう、将棋ウォーズで日々降臨している棋神について書こうと思います。

あの華美なエフェクトとともにコンピュータ将棋の頂点に君臨するPonanzaによる最強の応手を5手分自動で指してくれる棋神降臨。いつぞやの敗勢がぶっ飛び、病みつきになる人もいるらしい。

そういう観点からか、そのヘビーユーザーをソフト使いと同一視している否定的な意見が散見されますが、一方で当の運営会社が公認しているので合法、いやなら別のサイトで遊べばいいやん、といった肯定的な意見もあり様々です。

因みに私はこの棋神降臨については全くするのもされるのも意に介していません。というよりそもそも勝ち負けよりも、自分が納得できる将棋を指せたかどうかに主眼を置いてます。

よって、この前のタッグマッチ戦の佐藤四段のように 「俺はこう指したいんだが、お前さんならこの難局をどう指し回しするんだい?」と飽くまで意見を聞くように使うというのが自らが上達するための一つの答えのように思えます(但し勝手に棋神は指し手を進めてしまいますが)。

逆に日々ランキング上昇のために課金して大量の棋神降臨をし、自分の脳に1滴の汗もかかない輩さんがいたとしても「ヘビーユーザーさんは運営側への有難い貢献者。つまり僕たちの縁の下の力持ち」と考えれば棋神否定派の方々も少しは腹落ちするんではないでしょうか?

まあ前置きが長くなりましたが以前の私自身の一局で棋神降臨で感動した手順がありましたので、書き留めておこうと思います。

図は先手の私が三間飛車で後手が左玉に組み、右辺をほぼ制圧されかかった局面。ここはかなり苦しく銀を引くようではジリ貧で負け、ということで棋神に聞いてみることに。

で、棋神の次の一手は…




タマネギの流氷漬け-1棋神

















▲8六角!

タマネギの流氷漬け-2棋神

一瞬、我が目を疑いました。しかし、相手の応手を考えれば考えるほど難しいことに気がつきました。後手は5三の地点に何か合駒をしたいのですが、あいにく持ち駒はなく、かといって6二の金を動かすと、7二の金が浮く。



よって次に△6四歩が浮かぶのですが、以下▲同歩△5六歩▲6三歩成△同金斜上ル▲7一飛成と開き王手で2一の飛車が素抜かれます(ここでは△5六歩と銀を取らないで先に玉が早逃げするのが最善かもしれません。以下▲5五銀△同銀▲同飛で一局です)。かといって玉の早逃げをしても▲7二飛成~▲4二金で4三の銀をこれまたとられてしまいます。よって泣く泣く△5三銀と引き、以下▲5五銀△8四歩で先手の攻めが今度は本当に頓挫したかに見えますが…また次の手を考えてみて下さい。

タマネギの流氷漬け-3棋神
















▲7四飛!

タマネギの流氷漬け-4棋神

ここに来てやっと▲8六角の真意が分かりました。以下△8五歩に▲5三角成と角をぶった切り△同玉▲5四銀△5二玉▲4三銀成△同玉▲4四銀と玉頭に襲い掛かり勝利となりました。それにしても飛車の斜め後ろから角を打つ手筋なんてあるんですね…Ponanzaに将棋の奥深さを教えてもらいました。




あとはfloodgateからのおまけ画像です。




1【Ponanza空中庭園】

局面はPonanzaのほぼ全駒状態。しかしなぜか攻めずにただひたすら自玉を固め続け、最後に▲4七金と打ち付けて空中庭園を完成。Ponanzaは多くの金銀に囲まれないと落ち着かないのでしょうか?



タマネギの流氷漬け


2【Ponanza鋼鉄囲い】

テトリスのような金銀のブロックを端に落とした変形穴熊。コンピュータらしくない人間臭い粘り腰ですね。



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3【NDF&Ponanza合作鋼鉄囲い】

最後はお互い逆の立場で合作。実はコンピュータは金銀を打ち付けるのが好きなんですかね。

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以上、また何か気になる将棋があればUPしていきます。