●概要・感想
◇会社組合の蔵書にあったもので、面白そうなタイトルで手に取ってみた。宴会術という切り口で、内容の本質は他人に対する思いやりだったり、一人ひとりを重要な人として扱うという、カーネギー先生の内容の真髄と同じ、れっきとしたビジネス書である。それだけではなく、宴会の場のファシリテーターという、具体的な行動につながるものであるので、行動に繋げやすく、非常にためになる本である。
●印象に残った部分
◆組織での飲み会では、色々な理由で今ひとつ話に入ってこられない人がかならずいる。そういった宴会弱者を救出するのは、感じの大事な仕事である。誰に対しても公平に優しく接する。
◆飲み会と侮ることなかれ、どんな会にした以下のビジョン策定、プラン策定、エグゼキューションというプロセスを具体化するのがリーダーである。自分が戦いやすい環境を構築したり、リスクや不確定要素を排除していく、自分の世界を現実にしていくプロセスである。
◇読み替えれば、経営トップの考えることから、それを受けて行動する末端社員までの一連の流れが経験できる最高の練習舞台になると言うことである。
◆宴会は主賓の日程をまず押さえる。主賓は一番偉い人・会の主役となる人だけではない、。盛り上げてくれるキーパーソンこそ、絶対に来てもらわないといけない人であり、直接交渉して来てもらえるように確約を取り付けないといけない。
◆普段宴会に来てくれない人にも、全体発信の前に直接声をかける。そしてそのプロセスは長くても3日以内、一気呵成に決めていく。
◆席順は上座下座だけではなく、よく喋る人は端にする(話さない人を端にすると浮いてしまう可能性あり)。
◆結婚式の出し物でつかわれるようなフォトアルバムでは、文字を入れて、全員が自分の目で読ませることで、感動を何倍にもできる。
◇こどもの成長記録で作るようなアルバムでも、文字を入れて思い出を入れることで、後で見たときに感動するのではないかと思う。
◆新人芸の出し物で必要な要素は、1)単純明快 2)ドッカンと笑う 3)お馬鹿だなぁ の要素。そして先輩社員が介添えして巻き込まれて行くことで、一体感を作れる。介添は真剣にやらないといけない。
◆人数が多い飲み会では、テーマソングを決めると、曲の持つ雰囲気でその宴を包んでくれる。
◇大学の飲み会の最後に、都の西北や紺碧の空を謳っていたのは、この校歌だったかと思う。ホワイトワールドもそうだった。日曜日よりの使者を一ノ瀬よりの使者にしてテーマソング化したのは、戦略としてよかったんだなと再認識。get wild や乾杯なども使い所があるのかなと思う。
◆握手するときには、すこし強めに笑顔で握ることで、強めの印象を堂々と
◆笑顔に自身がなければ、鏡の前で笑顔の練習を一人でする。
◆会話を聞くときには相手に全集中。携帯いじるなんて以ての外。真剣な眼差しで口を挟まずに聞くこと。自分の話にすり替えない。
◆30秒で自分を売り込む。エレベータで待っている間に偉い人などと会話する機を捉えてビジネスチャンスにする。
◆大事なセキでは、相手と同じタイミングで食べ終われ。特に相手の方が減りが早いときには自分が喋りすぎているサイン。
◆セクハラには徹底抗戦。大騒ぎせず、別の場所に連れていき、今の行動はセクハラだと伝える。
◆会話のマウントポジションを取る。自分が話すことや誇示するのではなく、場を掌握する。エピソード例。4対4の合コンの席でテーブルに付いた瞬間師匠は少し大きめの超えて僕に言いました。「おいきみ、あの端っこに座っている女性に、なんで俺がタートルネックを着ている女性が大好きってことを知っているか聴いてくれ」。その女性とは初対面であって無茶な注文だが、周りの人は何が始まるのかと巻き込まれていく。この人は何を言いだしているのだろうというのもあるが、僕が仕方なく「えっと、なんで彼がタートルネック好きだと知っているんですか?」このあたりでみんな笑い出す。本当に聞かされていると。そして全員がタートルネックの女性に注目する。なんて切り返すんだろうと。「え、、、、全く知りませんでした」とバッサリ答えてくれて、周りが又うける。すると師匠が「なんで今日は紫じゃないかを聞いてくれ」と追加で僕に効かせるわけです。このたった1,2分のやり取りの中で、師匠は会話の中心にドンと座ったわけです。
分析をすると、①まず周りの注目を掴んでいる ②誰も無視できない状況を作り出す (この2にんは対角線上にあるので、他の人も巻き込まれる) ③自分を起点にして三角形を形成して、話し合う状況を巧妙に作り出している。 話のファシリテーターとして、周りの人に生産的に話をさせる状況を作り出している。
◇自分の経験でも話を盛り上げられたときには、自分の話ではなく他の人に話を振ったのか、振られたのかのどちらかだった。会話のマウントでは、ファシリテーターとしてのポジションを確立して、話を回すことである。
◆相手の得意な会話かどうかを確認するには、話の解像度を確認する。いきなり細かい話になると、相手が得意な分野であることが多い。話下手な人であれば、その部分をうまくほって誘導していき、彼だけが持っている知識・ものの見方・感性を引き出していく。
◆会話の最後を自分の笑いでおわらせることで雰囲気良くなる
◇使い所かなとも思った。こういう人たまにいるが、うまくやらないと逆効果の人も見たことあるので。
◆世代の離れた人と話すことで、相手が興味のあるトピックに対して、自分の感性で切り込んでいくことで話が盛り上がる。話題に事欠かない。おじさんと訓練すると良い。外国人と話すのも楽になる。
◆参加者にまつわる知識のクイズを出すことも良い。その人だけが正解できる状況を作り出して自尊心をくすぐり、話をその人中心で盛り上げていくことができる。
◆乾杯の挨拶は、心の底からこの一瞬一瞬を感謝して、謙虚に、そんな態度で。乾杯の挨拶だけに限らず自分も他人も大切にして。
●タイトル
ハーバード流宴会術
●著者
児玉教仁
●出版年
2012/12/1
●評価
★★★★☆
●読書日
2023/6/11









