
ONE DAY 第7話
翌朝、また日常が始まった、利雄が会社の前を歩いていると
「おはようございます!」
と声がした
「お!おはよう!この間は、ありがとな!おかげで若い頃の
戻ったような2日間を過ごさせてもらったよ」
「そうですか~!そりゃあ、良かった~!」
「あのカタナ・・だいぶ金を突っ込んでんじゃね~のか?」
「え・・ そうですね~!」
「それでですね・・・ ちょっと相談に乗ってもらいたいんですが・・」
「何だい?楽しませてもらったんだから、何でも相談にのるぞ!」
「結局、あの・・バイクを貸した後に、親に、かなり叱られて・・・
バイクは、知り合いに売ったと言ってしまったんですよ・・・」
「は~?お前、もう子供じゃないんだし、親にとやかく言われる事じゃ
ないんじゃね~のかよ?」
「は・・・ 色々ありまして・・・ 実は、俺・・・両親が早くに亡くなって
今は祖父と祖母とくらしているんですよ・・・ だから・・あんまり
心配掛けたくなくて・・・」
「そうか・・ 何も知らずに・・・ゴメン・・ で、相談って何だ?」
「イヤ・・・だから、先輩に、あのカタナを乗ってもらえないかな・・
と思いまして・・・」
「え~?俺がか~?」
利雄は、妄想から希望・・・ それから現実なった状況に
戸惑っていた。
急に落ち着きのなくなった利雄は
「す、少し考えさせてくれ・・・・」
と捨て台詞をはいて、その場を立ち去った。
書類を目の前にして、落ち着かない時間が過ぎていく
書類を目の前にして、落ち着かない時間が過ぎていく
利雄のデスクの後ろから怒鳴り声が聞こえて来る
「近藤!お前、何やってんだ!この書類、誤字脱字
ばっかりじゃね~か!」
「え?あ!すいません・・・・」
「気をつけろ!女の事でも考えてんじゃね~か~?」
「い・・いえ、す・・すいません・・・」
誤りながら、女の事の悩みの方が、まだマシだと利雄は思った。
少し、緊張しながら、摩天楼に灯が灯る頃、 ヘトヘトになり、
会社を出た。
「あ~!朝から変な事を言うもんだから、疲れてしまった、
一杯、引っ掛けて帰るか・・・」
利雄は、いつもの居酒屋に寄った。
暖簾をくぐる時に、イヤな予感がした。
すると、一人の男と目が会った。
「あちゃ~!なんで、こんな時に、あいつがいるんだよ・・・」
「利雄~!お疲れ~!俺も今、来た所なんだよ~!」
とユウジが顔を赤らめて言った。
「嘘をつけ・・・ だいぶ、酔っ払ってるじゃね~か・・・」
「利雄!ここへ座れ!呑もう!呑もう!」
結局、まんまとユウジのペースにハマリ、バイク談義に華が咲いた。
「へ~!良かったじゃないの!久しぶりにバイクに乗って
旅をしたんだろ?」
「う・・ん・・ まあ・・・」
「なんで、嬉しい顔しないんだよ、もう少し自分の気持ちに
正直になれよ!」
「お前、そのカタナに乗りたいんだろ? 金が足りないんなら
借そうか?」
「いや・・・ 金なら、何とかなるんだ・・・ そうだな・・・
お前の言う通りかもな・・・ あのカタナに乗って旅した
2日間、すごく楽しかったんだ、このまま気が狂うんじゃ・・
と思うほど、楽しかったんだ・・・ 俺も今まで、家族の
ために、我慢してきた・・ 我慢する事が当たり前だと
思ってきた・・・ 自分のためだけに、生きても良いよな!」
「そうだ!そうだ!利雄!今日は復活の狼煙を上げようぜ!」
「よっしゃ!俺も今日からカタナ乗りだ!お前のBMには
負けね~ぞ!」
「利雄!乾杯だ~!」
「ユウジ!すべては、お前のせいだぞ!このやろう!
分かってんのか?」
「わかってる、わかってる!俺のせいだ!だから、あんまり頭、
叩くなよ~!」
ついに踏ん切りのついた利雄達は、深夜まで、大騒ぎをしてしまった。
つづく