活性酸素の働き

 活性酸素は決して悪い面ばかりではないのです。生物が生きていく上で大切な役目もしています。例えば、プロスタグランディンの合成や酵素反応を促進したり細胞内での情報の伝達役とか、体内に入った細菌等を殺菌するのも活性酸素の役目です。白血球は活性酸素を作りだし細菌などの外的を攻撃してやっつけてくれます。これほど強力な活性酸素ですから、人体の細胞にとっても攻撃的であるのです。胃酸は食べ物の消化する強力な作用をしますが、胃壁は粘膜で守られているため、胃が溶けてなくなることはありません。しかし、何かの原因で粘膜が弱ったり、傷ついたりすると胃はたちまち自分の胃酸でやられてしまいます。
 活性酸素についてもこれと同じ様な事が言えます。生体にはある程度の量の活性酸素は必要ですが、何らかの原因で過剰状態となると、生体にとってこの上ない悪さをしでかすのです。

 活性酸素は普段の呼吸でも取り込んだ酸素の約2%ほどが活性酸素となっているようですが、以下の場合にはさらに大量の活性酸素が生産され、除去しきれなくなった活性酸素が人間の老化やガン、アトピー、成人病(生活習慣病)などあらゆる病気の原因となっています。
例えば、

 1・様々なストレス。

 2・腸内の悪玉菌による異常発酵で生じる毒性物質が体内に取り込まれたとき。
  (余分な活性酸素発生のかなりの部分を占めていると思われます)

 3・電磁波、超音波、放射線、紫外線等に曝されたとき。

 4・タバコ、自動車の排気ガスを吸引したとき。

 5・発ガン性物質などの薬物代謝のとき。

 6・アルコールを飲んだとき。

 7・病原体が侵入し過度の炎症をおこしたとき。

 8・スポーツ等で大量の酸素を消費したとき。

 9・血液が再環流したとき(一時的にとまった血液の流れが再び流れ出すとき)。

 10・胆汁酸が生成されるとき(胆汁酸は脂肪を食べたときに消化を助ける)。

 11・コレステロールを合成するとき。


 などなど...。