気楽に一人仕事 | みどりゾーン☆シルバー坂戸の「植木班」

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我らシルバー「植木班」超高齢化社会の元気集団、出発!

今日は天気も良く気楽に一人仕事。

最初の一本、いい感じに仕上げた。

 

 

だけど……ふと思う。

 

日本人的感覚だと、早くて巧いってのが技術だと、そう、職人。

寿司職人。日本料理職人。大工職人。建具職人。家具職人……

たぶん、職人と名のつく職業なら、早くて巧い、ってのが職人と思う。

 

私の仕立てる植木も、私はとても早い。

たぶん……シルバーの仲間内と比べてみても早いほうだと思う。

では、早いから、雑かと言えば、そうではない。

やはり、仕事は早くて巧い、ってのが日本的職人の技だと思う。

実際、私の仕立てた植木は、巧いと自分ながら思う。

 

――何々、新人が有頂天になって、と思われるかも……――

だけど、結果ってのは、誰が見てもそこにあるわけで、嘘もヘチマも無い。

巧い下手の理屈も何も無いわけ、結果がそこにあるわけです。

誰の目にも見えるわけで、

「お前は手抜きだ」

「こんな枝を残して、下手くそ」

「まだ、2年目のくせに、大きな口をきくな」って声もどこかにあるかも。

 

しかし、どんな風に仕上げようが、結果がそこにあるわけです。

時間的にどんなに早く仕上げようが、

どんなに丁寧に仕事をしているようなフリをして時間をかけて

仕上げようが、結果は、そこに現れてます。

 

そんな意味で、私は植木仕事は職人的で面白い。

 

植木仕事は芸術だと、いいはって、長い時間をかける職人もいる。

植木鋏で一本一本の芽を丁寧に剪定して仕上げる時もあるし、

電気バリカンで、バババーと刈ってしまう時もある。

一本の木を、一日かけて仕上げる時もある。

同じくらいのボリュームの木を半日くらいで仕上げる時もある。

 

依頼者様の要望なのだが……さて、植木の手入れはどうあるべきかと、

個人的に悩むところでもある。

 

昔やっていたLSIの設計仕事は、どんなに巧く、早く仕事を終えても、

誰の目にも、触れることは無かった。

そんな、結構寂しい仕事でもあったなと……ふと思う。

 

だけど……仕事の早さと、技術の高さを比例して考える国民は、

日本人なのよね。(笑)

 

植木職人も、検定試験などだと、規定時間内での技術の高さを

検査されるわけで、まあ、芸術だと言い張っては、ちょっと的外れかな……

 

しかし、ヨーロピアンは違う感覚を持ってます。

早いのがいいとは、限らない、丁寧さを要求されます。

彼らには、どのような職人にもギルド制ってのがありまして、

早さより、丁寧さを要求されます。

 

私はヨーロッパで針金を使って彼らの前で針金ネームを作る商売をしておりました。

http://www.roy.hi-ho.ne.jp/rryyuu/life12/harigane/index.html

その時、日本人とヨーロピアンの技術についての感覚の違いを知り、

結構なカルチャーショックを受けたことをよく憶えております。

 

ヨーロピアン的感覚では、早いことは必ずしも巧みとは言えないのです。

彼らの感覚は、ゆっくりでもいい丁寧に仕上げるのが職人です。

どんなところで、って聞いてくれるな、話が少し長くなる。(笑)

 

大きなツゲ、5年ほど手入れのされていなかった木で、茂りもそうとうであった

 

なかなか話が面白い展開になってきました。

どんなことで……

針金でネームを作って商売していたのですが、

ヨーロッパの人々には「早く作って上げる」って言うと、

あまり喜ばれないのです。

何でなんだろうと、考えた結果なのですけど、早さ、イコール「巧さ」って

考えよりも、早さ、イコール「雑」って感覚が強いのかもです。