30 民意 2004/11/30 投稿2014 | ひょっこりひょう「たいわん」島/(台湾ブログ)

ひょっこりひょう「たいわん」島/(台湾ブログ)

自称「台湾総合ブログ」です。 台湾の「芸能」「観光」
「映画・ドラマ」「歴史」「古跡」「地理」「人文」
「言語」「民俗習慣」「グルメ」「図書・書籍」
「風景・自然」「社会」「宗教」と台湾生活のことなど
Yahooブログから 引っ越し中

30 民意 2004/11/30 投稿2014


「明治のおもかげ」鶯亭金升著という本があり
明治のおもかげというタイトルだが 江戸の面影を綴ったものと昭和生まれには思える。 
当時の人が面白みを覚えたものと 現代との感覚の微妙な差をびくっと感じながら どんな時代でも面白く生きようと「ノンキ連中」(鶯亭金升の表現)がイキ。
 汁粉屋のおやじが砂糖を買いにいって 途中で友人に会いちょっと一杯、
その晩も飲み明かし そのまま三、四日うかうか過ごし 家に帰ったら汁粉屋は酒の為閉店」

 携帯電話の時代、留守番機能付き電話の時代、黒電話の時代、呼び出し電話の時代、電話があっても手紙の時代 ひととひととの再会の場面にも随分開きがあり 
便利な道具が登場する前は それこそ一期一会を大事にしただろうし 家庭内の娯楽といえば話すこと しゃべくりの持ちネタを披露しあったながい夜なべの会合をどれだけ楽しみにしただろう。
旦那が御前様で心配するのは直ぐにつながる通信手段がゆえ 一昔まえに戻せば一~二日 家をあける程度でも心配しようがなかった。

強大な秘密警察と密告網があっても シベリアの奥まで口コミでひろがる政権批判 まさに口に戸は立てられぬ
娯楽なき人の言葉への執着は深い。
寡黙とされていた明治うまれのとうに亡くなった 我が祖父も 今の年寄りとくらべればよくしゃべっていた、亡くなった祖母も90超えても 親戚が集まればとにかく話題にここ欠かない。
 砂漠の預言者も「口コミ」というネットワークで支えられ 権力側も情報統制という統治手法を行使しながら
「口コミ」というネットワークに晒される。
王権と中央の情報統制が行き届かない戦国武将の争いが 1対10の数の軍事力の差を問題にせず 
勢いや人気という「口コミ」が勝敗を決したように人の言葉の伝達能力は速度は別に精度に変わりはなく、コミュニケーションを重視した時代精度はむしろ上まわっていたといえるかもしれない。 
この生き残りは 自由選挙をしないまでもかなり民意に洗われていたのだ。 
情報統制の意識と手段がある今日と比較し 選挙結果という形式的民意の証明のあるなしに関わらず
晒された権力の意味はある。

時代で優劣を付ける無意味さは ヘルシンキオリンピックで優勝したザトペックのタイムをして 今日の高橋直子のタイムに劣るのはタイムという数字 進歩という進化の位置で歴史に向かう唯物史観姿勢はこれに似る。
「選挙結果という形式的民意の証書を後生大事にこだわれば 朝鮮民主主義人民共和国の正当な選挙証明をして「民主主義」であり 江戸時代の徳川治世を劣るとするのが 唯物史観の発展であり この賢者ぶりを後生大事にもつ
戦後民主主義は 中国、北朝鮮にたいして盲目の振舞いをする。

以上
2006/7/9(日) 投稿