8) 模倣 2004/ 5/28投稿
中野孝次著「人生の実りの言葉」から
『「発明する方法は一つしかない。それは模倣することだ。正しく考える方法は一つしかない。それは古くからの、試練を経た、何らかの思想を継承することだ。」アラン「教育論」』
人間が短い一生で獲得できるオリジナルと言うものは 過去の蓄積と比較すると それこそ塵のごとき量にすぎない アランの「徹底して過去の文化の受容をすすめ」はこのようなものであろう。
「こういう考え方は 独創でなければならぬという強迫観念にとらわれていたわたしの筋肉をほぐし、わたしを解放した。・・・アランの言うやり方だけが、真の独創を生むのだと知った。」と中野氏は書きしるしている。
考えれば人生は短く過去の知恵から学ぶのは 一人で出来ることなど過去数億数百億と生きた知識総量の遺産に比べれば知れているし 素直にそのように思えないことは不幸であり それを過信が妨げているなら馬鹿馬鹿しいことだ。過去は振り返ることが出来るが 未来とは永遠に会話はできない。
マルクスがどんなに偉くとも 過去の人類の知恵の蓄積からすれば塵、
まして永遠に来ることのないイデオロギーという預言 なにも生産しない独創性である。独自の用語で自分自身を煙に巻く自己満足の科学的共産主義。唯物史観というものは所詮前提無視の空想の世界である
以上
2006/3/28(火)投稿